「NHKスペシャル」レギュラー放送の「未解決事件」は、11月29日に「File.08 日本赤軍 vs 日本警察 知られざる攻防 前編」を放送しました。
番組では、1970年代に革命を掲げて世界各地でハイジャックや大使館占拠事件を起こした日本赤軍を取り上げ、新資料と証言から当時の攻防に迫ります。
前編を視聴し、日本赤軍について「革命を掲げながらも、社会に何も残さず、世界に混乱だけをもたらした集団」という印象を強く持ちました。
● ダッカ日航機ハイジャック事件
特に驚いたのは、日本赤軍が仲間の釈放にとどまらず、組織と関係のない重罪犯の釈放まで求めていたことでした。1977年9月28日に発生した「ダッカ日航機ハイジャック事件」です。
乗客142名を乗せた機体がムンバイを離陸直後、日本赤軍メンバー5名によりハイジャックされました。犯行グループは身代金600万ドル(約16億円)と、日本で収監中の9名の釈放、日本赤軍への合流を要求し、応じなければ人質を順次殺害すると警告しました。
当時の福田赳夫総理は「一人の生命は地球より重い」と述べ、身代金の支払いと「超法規的措置」による釈放を決断しました。
● 重信房子の出所
日本赤軍といえば、1972年にテルアビブ国際空港で自動小銃を乱射し26人を死亡させた事件が知られています。
重信房子が罪に問われたのは、1974年にオランダ・ハーグでフランス大使館を武力占拠し、警官らを負傷させた事件の指示役だったためです。国際手配の後、2000年に大阪府内で逮捕され、殺人未遂などの罪で懲役20年が確定しました。
その重信房子が2022年5月28日に刑期を満了し出所していたことは知りませんでした。最高幹部が女性だったことも意外でした。
出所時の会見で重信は
「人質を取り、無辜の人たちに被害を与えたことがありました。古い時代とはいえ、お詫びします」
と頭を下げました。
さらに「反省と好奇心をもって、新しい道を生きていきたい」と語っています。
質疑応答では、現在の日本について
「政治が一方向に流れているように見える」
と述べ、ゼレンスキー大統領の国会演説で、れいわ新選組以外の議員が全員起立したことを例に挙げました。最後には
「警察の情報をそのまま受け取るのではなく、テロリストと呼ばれる人たちがなぜそう呼ばれるのか、その背景を読み取ってほしい」
と話したといいます。
番組で見た80歳の重信は淡々と話し、表情から人物像をつかむのは難しく、テレビだけでは穏やかな高齢女性に見えてしまうほどでした。
● あさま山荘事件、よど号ハイジャック事件
海外での活動には詳しくありませんが、あさま山荘事件はニュース映像などで知っています。ただし、1971年以降の山岳ベース事件やあさま山荘事件は連合赤軍によるもので、日本赤軍とは別組織です。
山岳ベース事件で起きた壮絶なリンチは小説にも描かれており、読んだときに心が重くなったことを覚えています。
また、1970年のよど号ハイジャック事件は共産主義者同盟赤軍派が起こしたもので、同じ「赤軍」と名がついていても系統が異なります。
日本赤軍の背景には当時の国際情勢が深く関わっているようで、理解するには政治状況も踏まえる必要があると感じました。重信房子に関する記事も多く出ているので、読み進めながら自分なりに整理した記事をまとめたいと思っています。
今回の「日本赤軍 vs 日本警察 知られざる攻防」は2回シリーズの前編でした。来週放送の後編も楽しみにしています。
参照:「日本赤軍」元最高幹部・重信房子氏が出所 日本の情勢に言及も
<未解決事件>「File.08」は「日本赤軍 vs 日本警察」前編 元最高幹部・重信房子らを取材
