
「アンという名の少女」 2017年製作 カナダ 原題: Anne with an “E”
ドラマ「アンという名の少女」は、見応えのあるすばらしい作品です。3シーズン全27エピソードがあり、L・M・モンゴメリの1908年の小説『赤毛のアン』をもとにしたテレビシリーズです。カナダCBCとNetflixが共同製作し、新たな登場人物やストーリーも加えられています。
原作の温かさに、現代的な視点を取り入れた深くリアルな物語が重なり、毎回心揺さぶられながら満足して見ることができます。
このドラマはNHKで2020年9月~2022年3月に放送されており、その頃に数分だけ目にしたことがありました。「面白いかもしれない」と思ったものの、別の用事でテレビを離れ、そのまま忘れていました。今回Netflixで配信されているのを見つけて視聴し、その面白さに驚いています。
● 手違いでアンがやってきた
プリンスエドワード島のグリーンゲーブルズに住む農家、カスバート家の姉弟マシューとマリラは、農作業を手伝う男の子の孤児を養子に迎えようとします。しかし手違いで少女のアンがやってきて、物語が始まります。
マシューは駅に迎えに行きますが、待っていたのが女の子だったことに驚きます。
アンは駅で会った瞬間からマシューおじさんに握手し、次々と話し続けます。
「迎えに来てくれないのではと心配でした。このまま夜になったら桜の木の上で眠ろうかと思ってたんです。月明りの下で花に埋もれて眠るのも素敵でしょ? 私にガッカリしてます? 器量はよくないし痩せているけど丈夫です。ひきとってくれて感謝しています」
マシューは驚きを告げることなく、アンをそのまま馬車に乗せます。アンは次々に話し、マシューに語り掛けます。
「白い花に何を思い浮かべます?」
マシューは「さあな、分からん」と短く答えます。
「私は花嫁よ。見た事ないけど、ベールをかぶった花嫁。私は美人じゃないから結婚できないかもしれない。でも宣教師なら選り好みしないかも。いつか袖の膨らんだ白いドレスを着たいわ。きっと至福の瞬間ね」
アンはふと不安になり、たずねます。
「私、しゃべりすぎ? いつも注意されるんです。うるさければ言って。難しいけど黙ります」
「構わんよ」
「よかった。おじさんとは気があいそう」
アンの言葉から、語りながら想像を広げていく様子がよく伝わり、聞いているこちらの想像力まで刺激されます。
本の『赤毛のアン』シリーズは、少女時代の『赤毛のアン』から、アンの息子三人が第一次大戦に出征する第八巻『アンの娘リラ』まで、五十年以上にわたるアンの人生とカナダの激動の時代を描いています。しかし晩年のアンではなくて、若くて空想の世界を跳ね回るアンの物語こそ、最も見たいし読んでみたいと思ってしまいます。
ドラマで女友達ダイアナとの友情も微笑ましく描かれています。二人が手を繋いで野原を走る姿を見るだけで癒されるようで、索漠とした映像や物語を好みがちな自分には珍しいと感じます。
● エイミーベス・マクナルティは赤毛?
主人公アンを演じるエイミーベス・マクナルティはまさに適役です。1,800人以上の中から選ばれたというのも納得できます。ドラマでの赤毛は彼女にぴったりですが、実際は黄金色のブロンドで、赤毛は染めたものだそうです。本人もその髪色をとても気に入っていたといいます。
彼女は18歳までホームスクーリングで学び、学校に通ったことはなく、幼少期からロンドンの演劇学校でバレエと演技を学んでいました。10歳頃から本格的にオーディションを受け、俳優を目指したそうです。
アンの動きが美しいのは、バレエで培った柔軟性や機敏さが表れているのかもしれません。
現在、シーズン2の6話を見終わったところで、全体の半分ほどになります。見終わってしまうのが惜しいような、早く続きを見たいような複雑な気持ちです。
参照:エイミーベス・マクナルティの赤毛は本物?『アンという名の少女』で注目の俳優