中国のアジア局長が、思わぬ形で注目を集めています。
● 「謝る日本」と「余裕を見せる中国」
中国外務省の劉勁松アジア局長が、会談後に両手をポケットへ入れたまま歩く姿が撮影され、その映像が波紋を広げました。
11月18日、高市早苗首相の「台湾有事」発言を受けて開かれた、金井正彰アジア大洋州局長との北京での協議後の場面です。中国側は、その映像を「日本が頭を下げている」構図としてSNS上で拡散しています。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は、「世界第2位の経済大国の高官がポケットに手を突っ込む態度は、田舎のヤンキーのようで品がない」と批判しました。
映像だけを見ると、「謝る日本」と「余裕を見せる中国」という対照的な図式が浮かび上がります。中国が優位性を誇示する意図があるようにもみえますが、態度で相手にマウントを取る行為は、大人としての成熟度を疑わせます。本来は議論を通して向き合うべきでしょう。
さらに、この撮影自体も異例だったと、北京支局の近藤記者が説明しています。通常は制限されるはずの場面で取材が黙認され、中国国営メディアの姿もありました。中国側が映像を宣伝目的で利用することを前提に、撮影を“仕掛けた”可能性があるという指摘です。
● 小日本を黙らせる?
この映像をもとに、中国出身のオーストラリア人インフルエンサー・Sydney DaddyさんがAI加工動画を制作し、SNSで話題になりました。「憋死小日本(小日本を黙らせてやる)」という侮蔑的コメントとともに投稿されたものです。

動画では、金井氏の隣を歩く劉氏が派手な赤い花柄スーツ姿に変身し、ポケットから赤いスカーフを取り出して踊り出します。周囲の人々が拍手し、金井氏も思わず笑みを浮かべるというコミカルな仕上がりです。
【動画】これが中華衣装の「ダンシング局長」だ
Sydney Daddyさんは、劉氏の衣装を中華風に加工した画像も公開し、「この方が壮大で民族的だし、小日本を苦しめられそうだ」と冗談めいたコメントを添えています。
元の動画の構図から生まれたパロディであり、日本を黙らせるというより、ポケット局長を茶化しているように見えます。まさに田舎のヤンキー・アジア局長の大変身といったところです。

このようなギスギスした外交の空気を、ユーモアを通して相対化することは、物事を見る角度を変えるきっかけにもなり、むしろ健全なのかもしれません。

実際、AI生成を使った別のパロディも次々に登場し、パンダ姿やふんどし姿、メイド化など、バリエーションは広がっています。いずれ劉局長本人の感想も聞いてみたいところです。
仏頂面で「両手をポケット」だったはずが...AI動画で「ダンシング局長」爆誕
