「関東無宿」1963年製作 日本

 

「関東無宿」は、鈴木清順監督が師匠である野口博志監督の『地底の歌』を小林旭主演でリメイクした任侠映画です。

オープニングは女子高校生3人の対話から始まるという意外性があり、非常に気に入りました。それぞれの顔のアップで会話がリレー形式で進行します。

「トキ子のお父さん、本当は何の商売?」
「侠客よ」
「侠客?」
松原智恵子が演じる女子高校生トキ子が、疑問を呈した相手をじろりと睨みます。

「どんな商売?」
「侠客ってこれ」
映画のチラシを見せようとすると、トキ子はそれを「イヤ!」と拒絶し、奪い取ろうとします。チラシは手から離れ、風に飛ばされて道路に落ち、その上には品川劇場で上映される映画「利根の侠客」の紹介文が書かれています。

「侠客」(きょうかく)とは、義侠心に富み、弱者を助け、強者をくじくことを信条とする人のことを指し、代表的な侠客には清水次郎長や国定忠治などがいます。

女子高校生3人の中で松原智恵子が特に美しく、お嬢さん風で目立っています。当然、彼女が憧れているのは小林旭が演じる伊豆組の幹部、勝田光雄です。

女子高校生の三人組を代表してトキ子が、ダイヤモンドの冬に「ねえ、見たいんだけど。入ってもいいかしら」と言い、入れ墨をする場所を案内してもらう場面がまた変わっています。「ダイヤモンドの冬」という名称も独特ですが・・・・・・。

彫り師がダイヤモンドの冬に入れ墨を施すのを見て、トキ子ともう一人の女子学生は手を握り合いながら恐れています。もう一人の花子(中原早苗)は、目を輝かせて肌に彫られ、血が滲む様子や男が痛みに声を上げるのを見つめています。

「おまえさん、ヤクザが好きか?」と彫り師が花子に尋ねます。「そうねえ、嫌いではないわ」と花子が答えます。その出逢いからダイヤモンドの冬は、花子が忘れられなくなります。

次にダイヤモンドの冬が花子を賭場に案内します。賭場にいた別の男が花子に売春を勧めます。花子は「面白そう!」と笑いながら応じます。しかし、最終的に花子は伊豆組の乾分鉄に売り飛ばされてしまいます。これはまるでヤクザの世界を女子学生と共に映画の進行に沿って案内されているかのようです。

ところで、主役の小林旭についてですが、彼は若い頃、本当に目力のある整った顔立ちの男で、このような任侠映画にも非常に似合っています。



彼の大広場での賭場での切り合いのシーンでは、小林旭が二人を切り倒します。切られた一人が倒れ込んで背後の障子にぶつかります。その瞬間、全ての障子が倒れ、その向こう側が真っ赤になっています。その後で、画面は真っ黒に変わり、そこに白い雪が降ります。

このような凝った独特の演出もまた、鈴木清順のスタイルが表れています。

さらに、主人公・勝田(小林旭)の衣装や花子の衣装、バック、セットの一部には鮮やかな赤が多く使われており、登場人物の情熱や暴力的な世界観を視覚的に表現しています。この監督の美的センスが、後の傑作「ツィゴイネルワイゼン」に集約されていくのだろうと感じました。