
「フランケンシュタイン」 2025年製作 アメリカ 原題:Frankenstein
ギレルモ・デル・トロ監督による「フランケンシュタイン」は、「パンズ・ラビリンス」や「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞を受賞した監督が、長年温めてきた企画を実現した作品。倫理と欲望が衝突し、独特の映像美とダークファンタジーな世界観が発揮されています。
Netflixで配信されているが、このような奥行の深い映像美が満載の映画は、劇場で見るべき傑作だと思えます。物語も退屈する部分がなく、配信で見てしまったことが、とても悔やまれます。

ぼくがイメージしているフランケンシュタインは、顔が四角形で傷だらけの、まさに怪物というイメージだったけれど、ジェイコブ・エロルディのフランケンシュタインは、傷はあるけれどハンサムで、超人的な力を持ったスーパーマンのような人物。
と言うと、軽めのアクション映画のように聞こえてしまうかもしれないけれど、ストーリーは「怪物」の再定義をおこない、物語に深みを与えています。メアリー・シェリーの原作小説に基づき、従来の「怪物」のイメージを覆し、その内に宿る人間の愛や苦悩、そして創造主の罪が描かれています。

フランケンシュタインを作った博士のヴィクターが恋してしまった女性、エリザベスを演じたミア・ゴスの独特な存在感が心に残ります。一筋縄ではいかない個性を放ち、それでいて独特の色っぽさも兼ね備えていました。もう少し、フランケンシュタインもしくは博士とのシーンを見たいと思わせました。
デル・トロ監督は、どのような動機で「フランケンシュタイン」の映画化に至ったのか。インタビューにて、以下のように発言しています。
「人間というのは、生まれながらにして「自分の歌」をいくつか持っていると思うんです。たとえそれが自分の時代よりずっと前に作られた歌であっても、心から「これは自分の歌だ」と感じる瞬間があるんですね。私にとって「フランケンシュタイン」はまさにその“歌“なんです。
脚色するという行為は、いわば未亡人と結婚するようなものなのかもしれません。前の夫、つまり原作者への敬意と愛を保ちながらも、自分なりの新しい祝祭を開かなければならない。それが私にとっての、「フランケンシュタイン」の映画化になります。」
参照:フランケンシュタイン : インタビュー