「ちょっとだけエスパー」 公開日:2025年10月21日 日本
大泉洋は色々な映画やドラマに出ている人です。YOUTUBEには出演映画やドラマの舞台挨拶が何本もアップされていて、いつもの彼のボヤキ節が笑わせてくれます。
他の出演者を押しのけて、彼の一人舞台になっているような感じさえあります。俳優というより、その時はコメディアンのようです。面白いと思って大泉洋の出ている舞台挨拶を何本も見ているうちに、勝手な話だけれど『さすがに、大泉洋はもういいかな・・・・』と、思うようになりました。
そんな時にNetflixで大泉洋主演のドラマ「ちょっとだけエスパー」が視聴できる事を知りました。タイトルからすると、コミカルなドラマのように感じました。毎週火曜のテレビ朝日で放送中のドラマです。バカリズム脚本の傑作ドラマ「ホットスポット」に通じる作品かな?と、興味を覚えました。
でも『主演が大泉洋なのは、くどいかな』と思い避けていたけど、頭の隅にひっかかっていたようです。気がつけば、試しにと思い見ていました。
サラリーマン姿の大泉洋が、夜中にビルの屋上にいます。景色は一面ビルだらけです。昔に聞いた事のある「ぶんぶんぶん はちがとぶ♪」と、童謡を歌っています。
かなり高いビルで、彼はビルの淵に立って下をのぞき見しつつ、自殺を決意しています。けれど、恐怖と戦っているようで、顔をゆがめています。風が吹き抜ける音が聞こえ、「ぶんぶんぶん」と、彼の歌声はさらに大きくなり、目から涙がひとしづく流れます。泣き声も交じりつつ、ついに体を空中に投げ出します。「あ~~~」という叫び声と共に、地面に落下していきます。
というオープニングの場面では、思ったよりシリアス系のドラマなのかな?と感じました。これから自殺しようとする緊迫感もあって、これは見ごたえのあるドラマだと感じました。まだ3話のみのアップで、4話目は来週以降です。
物語は、主人公の不条理な運命が展開されます。
会社をクビになった文太(大泉洋)は、妻と離婚し財産分与と慰謝料で貯金が底をついてネットカフェを泊まり歩く日々を送ります。彼が再就職した先は「ちょっとだけエスパー」として世界を救う仕事。しかし、課されるミッションは「ある画家が目的地に着くのを阻止する」といった意味不明なものばかりです。
また、文太の仕事の中に、見知らぬ女性・四季(宮﨑あおい)と夫婦として過ごすというミッションがあり、共同生活を強いられます。しかも「エスパーは人を愛してはならない」という謎のルールが存在し、恋愛と世界救済の行方が絡み合う展開も気になるところです。
基本はコミカルな設定なのだけれど、これだけドラマの世界の中に気持ちを惹きこんでくれるということは、かなり脚本がしっかりしている事に気づかされます。
確認すると、『アンナチュラル』『逃げるは恥だが役に立つ』『獣になれない私たち』などで知られる人気脚本家・野木亜紀子氏によるオリジナル作品だという事がわかりました。荒唐無稽な設定の中に、社会の風刺や人間ドラマが織り交ぜられています。
野木亜紀子氏は、高校卒業後は専門学校の「日本映画学校」(現・日本映画大学)に進学しています。映画監督を目指していて、35歳で脚本家にたどり着いたとの事で、このように語っています。
「映画監督を目指して専門学校に入って、卒業後は映像制作会社に就職。フリーの時期も含めて8年ほど映像制作に携わる中で、演出家やディレクターなどの「現場に立つ」仕事が、性格的にも能力的にも向いてないと痛感させられました。つまり映画監督も無理だなと。
けれど、映像の仕事には関わっていたい。唯一、できそうだと思えたのが脚本家だったんです。憧れではなく、消去法で脚本家にたどり着きました。」
「ちょっとだけエスパー」は、「ホットスポット」と並んでユーモアもあって、SF風味もあり、登場人物の人生の背景も徐々に見えてきます。かなり満足度の高いドラマで、野木亜紀子・脚本の今後の展開にも大いに期待が持てるドラマです。
参照:脚本家・野木亜紀子さんの進路選び「消去法と挫折」でたどり着いた天職
