
小泉進次郎防衛相の妻である滝川クリステル(48)。最近はテレビで顔を見ないと思っていたら、『週刊文春』11月13日号の記事で取り上げられていました。
滝川クリステルを物心ともに支える男性に、ケン・チャン氏という人がいます。彼をドンキの安田隆夫会長(76)が今年4月、詐欺容疑でパラオの司法省に刑事告訴し、受理されました。被害総額は約35億円に上るといいます。
安田会長といえば、「驚安の殿堂ドン・キホーテ」の生みの親で、型破りな経営者として知られる人物です。わずか一代で年間売上2兆円の巨大企業を築き上げた小売業界の帝王です。最近の記事では、自ら末期がんであることを公表しました。2023年末に下された診断は、想定した中でも深刻な「小細胞肺がん」だったといいます。
「進行と転移のスピードが速く、5年後の生存率は2%かそれ以下だというんです。青天の霹靂でした」と告白しています。
● 滝クリとケン・チャン氏
ケン・チャン氏は滝川クリステルについて、親しい知人にこう話していたといいます。
「彼女を愛している。あらゆる援助をしているんだ」
こんな熱烈なメッセージを発していて、夫の進次郎氏は大丈夫なのかと多少心配にもなります。ただし現在は、お互い夫婦間の交流を深めているようです。
滝川クリステルは動物愛護に力を入れており、結婚前の2014年5月には、犬猫の殺処分ゼロを掲げる一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルを設立しました。代表理事として、滝川クリステルは以下のような問題提起を今年1月にメッセージとして発信しています。
「ペットの殺処分。そのあまりの多さに驚きました。
1年間に全国で128,241頭、1日あたり約351頭(2014年度:環境省)。
調べを進めるうちに、たくさんの問題が浮き彫りになりました。
私にできることは、ただひとつ。
『多くの人が目に見えていなかったことを、誰もが目にするニュースで伝えよう』
そこから取材を重ね、番組スタッフを説得し、番組を卒業する直前に3夜連続でその痛ましい現状を報道するに至りました。」
(滝川クリステルのプロジェクト概要より)
その財団を通じて滝川を支えてきたのがケン・チャン氏です。
「ケン氏は、財団の顧問弁護士をはじめ、活動をサポートする複数のメンバーを紹介。ケン氏自身も2018年に財団の理事に就任した。つまり滝川の財団は、ケン氏の人脈で成り立っているのです」(財団関係者)
● モジュール工法で費用削減
では、ケン・チャン氏とは何者なのか。経済紙記者が解説します。
「両親はシンガポール人ですが、父が日本で医師として働いており、ケン氏も東京生まれで日本語は堪能です。1992年に南カリフォルニア大学を卒業後、モルガン・スタンレー証券を経て、シンガポール政府投資公社(GIC)へ。日本語能力を買われ、2006年にはGICリアルエステート・インターナショナル・ジャパン株式会社(現GICジャパン株式会社)の代表取締役に就任しました。」
そのケン・チャン氏が、なぜ小売業界の帝王から刑事告訴されるに至ったのか。当の安田氏が語ります。
「私が彼と知り合ったのは今から15年以上前、彼がGICにいた頃のことです。国内の不動産事情にも明るく、人懐っこくて面白い男だと思いました。その後、年に二、三回会って親しく話をする間柄になりました。」
安田氏には「人生の集大成」と語る夢があります。
「パラオに立派なホテルを建設したいのです。美しいパラオの海を世界中の人々に知ってもらいたい。私は年間で五十日以上パラオに滞在するほど、この国に魅了されてきました。パラオの発展に寄与することは、パラオへの恩返しでもあるのです」(安田氏)
そして2020年、安田氏は悲願の実現に着手します。
「当時、私はパラオと渋谷で二件のホテルを建設する計画を立てました。ホテル業界に精通するケンに相談したところ、『私とコンサルタント契約を結びましょう』と言われました。」
ケン・チャン氏側が作成した同年6月4日付のプレゼン資料には、「モジュール工法のご紹介」と題して次のような記述があります。
「モジュール工法を活用することで(中略)大幅な費用削減と開発リスクの低減が可能であると思料します。」
モジュール工法とは、建設現場とは異なる場所で鉄骨や配管などを配置した「モジュール」を製作し、現地に輸送して設置する工法のことです。プレゼン資料では、この工法の実績をもつ企業として米国のSkystone社を紹介しています。
2020年8月11日、ケン・チャン氏側は、PPIHが進める「ホテルインディゴ東京渋谷」と、PCCLが進めるパラオのホテル建設プロジェクトを合わせ、月額900万円のコンサル料を受け取ることになりました。
※PPIHは、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧:株式会社ドンキホーテホールディングス)。安田氏は、PPIHとは別に個人資産を用いてパラオ・コーラルクラブ・カンパニー(PCCL)を設立し、パラオでのホテル建設を薦めてきた。
● 構造上の問題
業務委託締結から3年10か月が経過しました。昨年6月、タイの工場で製造された56基のモジュールが、ようやくパラオの工事現場に届きました。
しかし、現地から送られたレポートを目にした安田氏は驚愕しました。客室の天井部分がはがれ、断熱材が溢れ出ていたのです。基礎部分の多くが歪み、床板も変形していました。
構造計算を行う検査会社にチェックを依頼したところ、想定外の事態が明らかになりました。調査に関わったPCCL関係者が言います。
「昨年末に検査会社から示されたのは『クレーンで持ち上げる際、モジュールの荷重にモジュール自体が耐えられない』『構造上、倒壊の危険性がある』という結論でした。ケン氏側は『構造計算では問題なかった』と主張したのですが、構造計算書の提出を求めても出してこなかった。PCCLが求めた安全性を担保する資料が提出されなかったのです。」
そして今年に入り、さらなる問題が発覚しました。安田氏が憤ります。
「我々が契約したと思っていたSkystone International社は、マリオットを手がけた米国のSkystone社とは全くの別物だった。資本関係もなく、実績のない偽物だと分かったのです。」
● 被害を最小限に
実績ある会社と誤認させられた安田氏が騙されたと感じるのも無理はありません。
「コンサル料を受け取る以上、顧客の利益を最大化するのが彼の本来の仕事です。にもかかわらず、実績ある会社のように見せかけた自分の関連会社に金を流し、ホテル建設にも問題が山積。プロジェクトは頓挫しました」(安田氏)
安田氏がケン・チャン氏と最後に話したのは今年2月のこと。不良品のモジュールを作り直すよう求める安田氏に対し、ケン・チャン氏は煮え切らない返事を繰り返しました。怒った安田氏は「刑事告訴」という最後通告を突きつけたのです。
安田氏は語ります。
「彼から金を取り戻すのは諦めています。しかし、彼の所業を放置したままでは死ぬに死ねない。被害に遭う人を最小限に食い止めなければと考えたのです。」
参照:《被害総額35億円》滝川クリステル(48)のビジネスパートナーが“詐欺容疑”で刑事告訴