兵庫県の斎藤元彦知事(47)に関連する色々な事件は、死者も出ている。兵庫県という枠を飛び越えて、完全に彼は知事失格で政治の大きな問題だと思う。定例会見では、ジャーナリストがどんなに突っ込んだ質問をしても、ぬらりくらりと心のこもっていない同じフレーズを言い廻して、逃げ切っている。

● 捜査当局の腰は引けている
週刊文春9月25日号ではひさびさに斎藤元彦知事に関する特集記事が掲載された。PR会社「merchu(メルチュ)」社長の折田楓氏とともに刑事告発された斎藤氏に関連する記事だ。

折田氏が昨秋の兵庫県知事選直後にネット上に〈広報全般を任せていただいた〉などと投稿した後、斎藤氏側がメルチュに71万5000円を支払ったことが判明した。それが、公選法で禁じられている選挙運動の対価としての報酬支払いに該当する疑いがあると指摘されたのだ。

今年2月には、神戸地検と兵庫県警がメルチュの事務所や折田氏の自宅への強制捜査に踏み切った。

但し斎藤氏のメルチュの件は、金額が71万5000円という金額なので、それが公選法違反と言われても、今ひとつ気持ちがもりあがらなかった。そもそも、情報処理に関連する発注は何百万単位が普通なのに、その金額はボランティアと言われてもおかしくないような金額に思えた。

それはぼくだけの感想ではなかったということが、週刊文春を読んでわかった。社会部記者は、当初から「捜査当局の腰は引けている」と、ささやかれていたという。

「違法性が疑われるにしても、買収にあたるとされる金額が約七十万円と、当局の感覚からすれば少額だったからです。特に兵庫県警の中では『たかが七十万円で現職の知事を立件できるわけがない』という意見が大勢を占めていた。

本来は立件可否を判断する立場ではない県警幹部が『不起訴やろ』とこぼしていたほどです。そのためメディアの間でも『仮に違法性が認められても、軽微な事案として不起訴になるのでは』とみられてきた」(地元記者)

普通はこの時点で警察による捜査は終結して、検察の結論も一週間程度で出ると思われていた。しかし、月をまたいでも結論はくだされないままだ。

● 権力者に物怖じせずイケイケ捜査
実は今春、一部の関係者の間である法務省人事が注目を集めていたという。兵庫県知事を巡る一連の捜査を担当する神戸地検特別刑事部長に、ある敏腕検事が就任したという。望月健司氏で、当時の広島地検特刑部は「権力者に物怖じせず、イケイケの捜査をしていた」ことで知られるとのこと。そして今夏、検察の本気度が垣間見える出来事があった。

7月中旬、神戸地検は斉藤氏から数時間にわたって任意の事情聴衆を実施。斎藤氏は違法性を否定したという。実は水面下で、さらなる捜査が進められていた。

「7月下旬、県警捜査二課が内密に県庁に入り、折田氏に関する資料を収集した。折田氏は県が設置している複数の会議の委員に就任しており、これに関する資料です」(捜査関係者)

県警による捜査終結後の資料収集。いわば神戸地検が県警に”追試”を課した格好だ。神戸地検がここまで捜査を尽くすのはなぜか。

「現職知事ですから、起訴して公判請求できるかどうかは、最高裁や法務省とも協議を重ねて慎重に見極める必要がある。逆に、もし不起訴にするにしても、告発者による検察審査会への申し立ては避けられない」(社会部デスク)



現職知事を起訴するか否か。検察が揺れる最中の9月8日、神戸地検に追加告発状が送付された。追加告発したのは郷原信郎弁護士と神戸学院大の上脇博之教授。

追加告発では、ポスターのデザイン制作業務などをPR会社に発注することで、利害関係のある同社社長を選挙運動に誘導したと指摘。郷原弁護士は「(斎藤氏側の)弁解を前提にしても公選法違反(の成立)を免れない選択肢を提示した」などとコメントを発表した。

「『利害誘導罪』に照らすと、斎藤氏は、メルチュに対する約70万円の発注によって、同社社長である折田氏が選挙運動をするよう誘導したと解釈できる。斎藤氏は『SNS運用は折田氏のボランティア』として買収罪を否定してきましたが、仮に無償のボランティアであったとしても、この『利害誘導罪』で公選法違反に問われる可能性が浮上しているのです」(捜査関係者)

「追加告発」というが、先の告発に関連したものなので、特に新たな視点から斎藤氏の不正を暴くとは、感じられなかった。それにしても「定例会見」の外側で毎回、声を大にして叫び続けている市民の「斎藤やめろ!」コールの為にも、一刻もはやく斎藤氏の知事居座りをなんとかしてほしいものだ。

参照:《“公選法違反疑惑”に新展開》斎藤元彦知事が「利害誘導罪」で追加告発