「小さな悪の華」1970年製作 フランス 原題:Mais Ne Nous Deliverz Pas Du Mal
 

黒髪のアンヌとブロンドのロールは、カトリック系の寄宿学校に通いながら暗黒文学に耽溺する15才の美しい少女。

布団に隠れて隠し持った懐中電灯の光で書いたアンヌの日記には「過ちはロールと私に喜びを与える。罪を犯す事が私たちの務め。お人好しの馬鹿は放っておけばいい。私たちは人生を神であるサタンに捧げる」との決意。

二人は放火や窃盗、動物虐待、また大人の男を誘惑したり背徳の日々を送っていた。やがて悪行はエスカレートし、追い詰められた彼女たちは破滅的な決意をする…。

本作は、その反キリスト教的で淫靡な内容からフランス本国を初めとする各国で上映禁止となり、アメリカと日本とのみで上映されたという。今見ると、各国で上映禁止になるほどの内容には思えないのだが、当時は厳しかったのであろう。

この映画は、別の映画「乙女の祈り」も思い出す。どちらも1954年6月にニュージーランドで起きた殺人事件を元にしている。実際の事件では、親友の母親を殺害した少女はやがて、アン・ペリーと改名し作家となり、成功しているのが凄いと思った。

ところで、映画のほうでは、まず可愛らしい小鳥に毒を与えて殺してしまうのが見ていてしんどかった。死んでいく様子を見ての二人の笑顔には、子どもの好奇心と残酷さ、生から死に向かう命を自分が手にしている支配の感情を窺えられる。

性の興味の描き方もまた独特で、ロールはさんざん色っぽい姿で男を誘惑しておいて、いざ男がその気になって襲ってくると、必死に拒んですんでのところでようやく逃げきる。そしてアンヌと合流し、ケラケラ笑ってその場を走り去る。

二人の大人の男への誘惑は、自分が持つ性的魅力の確認で、それに対して夢中になる大人の男の滑稽さへの優越感を感じているようにも映る。ところで、15歳という設定のわりには、きわどいシーンがあって、「大丈夫なのか?」と、心配になった。それに黒髪のアンヌの腋毛も目に入り、そこが妙に生々しく見えたりもする。

描いている内容はひどいのだけれど、どこか子供の持つ大人の世界に対する対抗心を抱いた頃の心情も思い出させ、なかなかロリっぽい危うさも含めた秀作だった。