
「エリック」公開日:2024年05月 イギリス、アメリカ 原題:Eric
1980年代のニューヨーク。男は9歳の一人息子と妻が居る。名前はヴィンセントと言い、仕事は、人形を使った子供向け番組のクリエイーをしている。ある日、通学途中に息子が行方不明になる。必死に夫婦で子供を捜し続けるという物語。カンバーバッチ演じるヴィンセントのくず親父っぷりが悲惨だけど、笑えるほどに徹底している。
ヴィンセントは、職場でいっしょに働く女性から会議であまりに自己中心的な意見ばかり言うので「ヴィンセント、あなたは人形のプロだけど病院で診てもらったら?」と言われる。その女性が「私は帰る」と席を立つと、「相棒との夜を楽しんで。ただバイブレーターは本物の男じゃないぞ」とたちの悪いセクハラジョークを言う。
そして家では、息子に考えている人形の説明をさせて「売り込むなら目を見ろ!俺のことを引きつけないと」と、攻め立てるような口調の連発。奥さんから「やめて!」と、どなられる。翌朝、ヴィンセントは「息子を学校に送って」と奥さんに言われるが、最後まで見届けないうちに息子が失踪してしまう。
また、職場の友人が、ヴィンセントがクビになったことを伝えに来る。それに対し「ふざけるな意気地なしで裏切者のクソッタレ。友情は?お前は人をだまして血を吸う寄生虫野郎だ」と暴言を吐く。全ての人間関係を壊すような言動を誰にも繰り返す。
ヴィンセントは、残された息子の描いた絵から、これは地図を表しているということに気が付き、独自に息子が捕らわれた先を探索する。
そこまではいいのだけれど、地図をたどってたどり着いたのは、地下鉄を通っていく浮浪者の吹き溜まりのような場所。浮浪者が薬物をやってハイになっている様子を見て自分も吸いたくなり、思わず購入。本来の自分の目的を忘れて、せっかく息子の居る場所までたどり着いたのに、ラリって吐いてぶっ倒れてしまう。
このドラマは、エリックというヴィンセントだけに見える付きまとい人形が邪魔なだけで、とても面白いドラマだった。あっとゆうまに観終えた。ヴィンセントの奥さんも、ちゃっかり若い愛人がいたり、刑事が事件のキーとなる犯罪歴のある店主と男色関係になったりと、まあ色々こね回していて飽きさせない。