
「ひとりでしにたい」 公開日:2025年06月21日 日本
NHKドラマの「ひとりでしにたい」は、主人公の山口鳴海(綾瀬はるか)があこがれていた伯母の孤独死の描き方に注目した。
叔母は生涯独身で仕事人間だった。主人公・鳴海があこがれていた伯母がゴミ屋敷と化した自宅の浴室で亡くなっているのが発見される。
孤独死した後、鳴海の両親が持ち帰ってきた叔母の遺品を引き取るのだが、遺品の中に不明なモノを発見する。職場にその遺品を持参し、同僚の女性に見せながら「これ、何かわかる? 美顔器系だと思うんだけど、ググっても出てこなくて……」と話しかけると、同僚は「あんた、職場に何持ってきてんの!」と驚き、それが女性用の“大人の玩具”であることが判明する。
ネット上では、
「凄いな、そのまま映ってるよ」
「綾瀬はるかに、あんなモノ持たせていいの?」
「あんなの映されても、子どもにも親にも説明できないよ」
と、大騒ぎになったという。
叔母の孤独死から終活について考え始めた鳴海は、病気や住宅ローン、投資など1人で生きていく場合のいろいろな事を考え始める。
そこに現れたのは、鳴海の婚活から就活、そして母親が熟年離婚したいと考えたことまでサポートするアドバイザーのような若くてハンサムな青年の同僚・那須田(佐野勇斗)。
このドラマを見て、何かに似ていると思った。会社で半強制的に見せられるドラマ仕立てのコンプライアンスの研修動画を思い出していた。研修動画の目的は、コンプライアンスに関して学んで考える為に作られているから、ドラマとして面白いかなんてのは二の次だ。
「ひとりで死にたい」は、孤独死や婚活や終活に関して学ぶことを目的に、登場人物が動かされていて、それぞれのキャラクタ―が微妙になんだかヘンなのだ。
とくに鳴海と、鳴海にいつもくっついている那須田の会話といえないような不思議なやりとり。この世に存在しない奇妙な二人を見せられているようで、心が落ち着かない。それでいて最後まで見たのは、綾瀬はるかの魅力につきるのであろう。
本作の制作統括を務める高城朝子氏は、鳴海役として綾瀬を起用した背景として「周囲を明るくするハッピーオーラをまとっている役者さんなので」と振り返る。
「持ち前の明るさやのほほんとした空気感、さらには綾瀬さんがこれまで培ってこられたパブリックイメージから、終活や孤独死といった重いテーマを和らげてくれていると思います。また、綾瀬さんはほんわかした雰囲気も魅力ながら、ご自身の軸をしっかり持っている役者さんです。鳴海も行き当たりばったりに見えて、実は自分の軸を持って人生を謳歌しています。
タイトルが衝撃的ですから、断られるのを覚悟でお願いしました。だからオファーを受けてくださったと伺った後も、ご本人にお会いするまでは『綾瀬さんが? 本当に?』と半信半疑でした(笑)」
高城氏は「ドラマを見た友人たちから『鳴海役を綾瀬さんにしてくれてありがとう!』と感謝のLINEが結構届きました」と笑顔を見せたという。
このドラマはぼくにとっては一つの奇跡を見せられた気分だ。説明だらけのセリフでどうにも奇妙な人物像が物語の中で動いているが、それでも演じる役者がうまければここまで面白いドラマにできるということ。
参照:綾瀬はるか主演NHK『ひとりでしにたい』に映し出された“女性用玩具”に
「断られる覚悟でお願いした」綾瀬はるかが“孤独死を描くドラマ”主演に選ばれた納得の理由。