「しあわせな結婚」 日本 公開日:2025年7月17日

俳優の阿部サダヲの事を言うときに、なぜか阿部サラダと言ってしまう。そのたびに妻から「サラダじゃなくて、阿部サダヲだよ」と、注意を受ける。これが何回も続くので、『自分の頭にどこか欠陥があるのでは?』と疑ってしまう。逆に芸名が阿部サダヲではなく、阿部サラダであったらどんなに助かったか。

という事を、阿部サダヲと松たか子が夫婦役で出演している「しあわせな結婚」というドラマを見ているので思う。ドラマは7月17日から始まり、まだ2話めが終わったばかりだ。

このドラマの「しあわせな結婚」というタイトル、脚本を担当する大石静が『徹子の部屋』出演時に明かしたのだが、元々のタイトルは「ネルラという妻」だったとのこと。スタッフに説得され今のタイトルになったという。

「しあわせな結婚」というタイトルの付け方が成功していると思う。覚えやすいし、ドラマの内容をあれこれ想像することを促すかのような、シンプルで印象的なタイトルだ。

ドラマのスタート時点では、軽いコメディに思えた。松たか子演じるネルラの、突拍子もない行動がどこかユーモラスだし、それにあたふたする幸太郎も面白い。

幸太郎は弁護士でニュースショーのコメンティターとしてテレビにも出演している。ある日、テレビ出演時に体調が悪くなり、救急車を呼んで入院することになる。一命をとりとめたが、すでに親はなく、50年間独身主義を貫いてきたため、見舞いに来る人もいない。

入院中の幸太郎が、点滴のセットを手でひきずりつつ1階のコンビニに行くためエレベーターに乗る。そのエレベーターの中で、ネルラ(松たか子)と偶然出会う。

「お見舞いですか?」と、聞くもネルラは無言。なので気まずい思いで「あ、失礼しました」と、つぶやく。そしてドアが開き、幸太郎が「着きましたよ」と、ネルラに伝える。すると、ネルラはふりむきざまに「どうぞ、あげます!」と、突然手に持っていた紙袋を幸太郎に押し付けて一礼してエレベータの中からいなくなってしまう。

但し、その袋の中には彼女の名刺と封筒に入れたお金が入っていた。彼女は鈴木ネルラと言う名前で、高校の美術教師であることがわかる。お金を返すため、スマフォで連絡を取ると、入院室にネルラがやってくる。すぐに帰ろうとするネルラに幸太郎は名詞を渡す。

幸太郎は感情を表に出さず、笑顔を見せないネルラの魅力に、すっかりハマッてしまう。「女神みたいだ」という印象を持った幸太郎は、ひそかにネルラと再度、病院で会うことを期待する。入院した個室部屋にノックがある度にネルラではないかと期待するも、退院の日まで会うことはなかった。

幸太郎が退院の日に、ネルラが病院の前に立っている。幸太郎は「今日はどうされたんですか?僕、また来てくれるんじゃないかと期待してたんですよ。バカですね」と告げる。

ネルラは、「来ました。お迎えに・・・・・・ あの、家(うち)に来ませんか」
「家、家とは? 僕の家ですか?」幸太郎はとまどって聞き返す。
「私の家です」
「え・・・・・・?」
「あ、今、かってに口が動きました」

この突然の展開がおかしくて笑ってしまった。その後「こうしておれは結婚した」という幸太郎のナレーションが入る。

第2話めでは、レギュラー出演するワイドショーの司会者が急きょ欠席するという展開。幸太郎はプロデューサーから司会者の代打を打診される。最初はことわっていたが、とうとう幸太郎がピンチヒッターで司会者をやることとなる。

そのワイドショーの司会シーンがとても軽妙で良かった。実際のテレビでも、ワイドショーの司会を阿部サダヲは完璧にできそうだ。ドラマから現実になったらおもしろい。

2話めでは、ネルラの婚約者の話も出てくる。15年前に、ネルラには同じ美術大学の画家の婚約者がいた。その元婚約者を、彼女が殺したのではないかという疑いが起こる。ネルラの過去の謎を抱えつつ3作目に引き継がれていく。

阿部サダヲも松たか子も、ぼくはあまり好きな顔の役者ではないけれど、なぜかいったん物語の中で見ると、目が離せなくなってくる。それは脚本だけの力ではなく、本人の演技力なのだろう。いったいどこが他の役者と違うのか?このドラマを見終わるまでに何か一つでも見つけてみたい。

参照:松たか子の芝居に思わず息を呑む 『しあわせな結婚』は“間違いないドラマ”