7月12日に放送されたTBS系報道番組『報道特集』は、外国人ファーストを掲げる参政党の主張に関連し、排外主義に違和感を突きつける、わかりやすい優れた特集であったと思う。

● 排外的な、差別的な言葉がSNSで
番組でクローズアップされてしまった山本恵里伽アナの発言は、番組の主題に沿った何ら問題はない発言に思える。どこが問題なのだろうか。

番組で山本恵里伽アナは・・・・・・・

「外国人政策が争点に急浮上する中で、これまではそこまでは注目されていなかった強硬な主張が急に支持を集める、であるとか、社会が決して受け入れてこなかった、排外的な、差別的な言葉がSNSで拡散していく。そういった現実に、正直すごく戸惑いを感じています」

「実際に外国籍の人と全くかかわらずに生活をしている人って、実はほとんどいないと思うんですよ。学校の友達だったり、職場の同僚だったり。自分の1票がひょっとしたら、そういった身近な人たちの暮らしを脅かすものになるかもしれない。これまで以上に想像力をもって、投票しなければいけないと感じています」
などとコメントし、さまざまな議論を呼んだ。

これには賛同意見も寄せられたが、一方で外国人のために投票するとも取れる意見に、『偏向している』などと批判も集まったという。

参政党は番組内容に対し、「著しく公平性・中立性を欠いた内容でした」と抗議。参政党はBPOの放送人権委員会に申し立てを行う意向を表明する事態になった。「報道特集」側も「この報道には、有権者に判断材料を示すという高い公共性、公益性があると考えております」と主張した、

● 何ら悪くないじゃないですか
フリーアナウンサーの古舘伊知郎は自身のYouTubeチャンネルでこの件に言及。「山本アナ」に対する考えと、「報道特集」に対する思いの2つに分けて、自身の考えを語った。



まず、山本アナについて古舘は「1つは、山本恵里伽アナ、何一つ悪くない。いいこと言ったじゃないか、と私は思っています」と言い切った。

「“排外主義につながることに危惧を覚えている”という趣旨。
          (中略)
悪いことやっている人をのぞいて、そうじゃない人に対してやや差別的になってしまってはいけない、そこにやっぱり警鐘を鳴らしていかなきゃいけないと思う”というような(趣旨の)ことを言ったわけですよね。表現は違っても。

何ら悪くないじゃないですか。どこが悪いんですか? 立派な1つの、警鐘を鳴らす意見です。もっと言うなら、警鐘を鳴らす意見にすぎないじゃないですか。何がいけないんですか」と強い口調で述べた。

さらに「一方で放送法について参政党さんが言っていること分かりますよ。“放送法第4条も含めてあるんだから、中立公正を旨としなきゃいけないのに、選挙戦の中盤で、あたかも参政党が外国人排外主義に走っているかのように言われるのはとんでもない”って怒ってみせるのは分かる。

それは分かるんですけども、放送法第4条をめぐってもいろんな解釈があるんです。1つじゃないんです。
          (中略)
テレビ局は縮こまりすぎてもいけないし、野放図になってもいけないんです。だから私は擁護するわけでも何でもなくて、山本恵里伽キャスターが言ったことをめぐって、こんなになっていることにすごく違和を覚えます」と私見を述べた。

● “正義の味方” になりすぎている
古舘はその後、「報道特集」についての思いなどに話を進めた。「自分もテレビ出身で、大変生意気な言い方になりますけども、あえて言います。分かりやすく。『報道特集』がはまってしまっている…あえて言いますよ、“『報道エリートのワナ』っていうものにちょっとお気をつけいただいた方が、『報道特集』はより良くなるんじゃないですか”と、生意気な批判の意見を持ってます」

などと指摘し、そう考える理由などもその後動画の中で語っている。    

「『報道特集』という番組が、ある種 “正義の味方” になりすぎていると。どこかこっち側(視聴者)から見ると、そのつもりはなくても『上から目線で番組作ってやがる』と(言われてしまう)」

優れた報道番組が「誰かが悪者、誰かが正義の味方」という二項対立に陥ってしまう危険性を、このように古舘は語った。

「優れた言葉選びから “言葉の魔術師” とも呼ばれ、数多くの番組でMCを務めてきた古舘さん。報道番組『報道ステーション』(テレビ朝日系)では、12年間にわたってキャスターを担当し、舌鋒鋭く政治や社会に切り込んでいく姿は視聴者からも好評でした。

一方、番組から降板する際は、『不自由な報道にいた12年のうっぷんがたまっている』などと、報道番組に対しての不満も覗かせていました。こうした経験からも、山本アナへの批判には目をつむれないものがあったのかもしれませんね」(芸能記者)

古舘の意見と同様に、普通に考えて山本アナの言動はもっともな指摘に思える。なので山本アナへの批判は的はずれに思える。今後も色々な批判にめげず、『報道特集』にはするどい指摘をする番組であり続けてほしいものだ。

参照:「正義の味方になりすぎている」山本恵里伽アナ 『報道特集』に 物申すも
                古舘伊知郎が明言「TBS山本恵里伽アナは何一つ悪くない」 「報道特集」に言及

                報道特集 争点に急浮上“外国人政策”に不安の声【7月27日(日)12:00 終了予定】