「ケープ・フィアー」 1991年製作 アメリカ

「ケープ・フィアー」は、昔に1度見ていた。内容はほとんど忘れてしまったけれど、怖くて面白い映画との記憶がある。今回、NETFLIXで動画配信されていたので、2度目の鑑賞になる。

16歳の少女に暴行を働いた罪で服役していたマックス・ケイディ(ロバート・デ・ニーロ)の話。

マックスは、事件を担当した弁護士に恨みを持つ。当時の判決に有利になる事案を隠したので敗訴になり14年間、刑務所に入ることになった。彼は復讐心に燃え、弁護士一家の愛犬を殺すことから始めて、徐々に一家を恐怖のドン底に追い詰めていく。

当映画はマーティン・スコセッシ監督と、ロバート・デ・ニーロという名コンビの組み合わせ。2012年に行われた映画史に残る「監督と俳優のコラボレーション50組」では彼らが1位に選ばれている。

タッグを組んだ作品として「タクシードライバー」(1976)、「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977)「レイジング・ブル」(1980)、「グッドフェローズ」(1990)、「カジノ」(1995)などの作品が想い起こされる。

「ケープ・フィアー」は、1962年に作成された「恐怖の岬」のリメイク版。どことなくB級映画っぽいと思った記憶があるのだけれど、第64回アカデミー賞の主演男優賞と助演女優賞にノミネートされたりと評価の高い作品だ。

最初に観た時に印象に残っているシーンがある。

ムキムキになったロバート・デ・ニーロ演じるマックスが、弁護士の一人娘である15歳の高校生に性的な本の話などを会話に入れて、うまく彼女の心の中に入り込んでしまうというシーン。

このシーンがどのようなものであったかを再確認する鑑賞でもあった。

父が同僚と浮気をして、母ともめて両親が不仲になっている。娘はうんざりきて部屋に閉じこもっていた。その時にマックスが娘の演劇の教師に成りすまして電話を入れる。娘の声を聞いて「沈んだ声だな」

「別に。うちでいろいろイヤな事があって・・・」
「力になろうか」
「ムリよ、Tシャツにも”この世は最低”と」
「イヤな事はプラスに生かす事が大事だ」
「どういう事?」
と、話に乗ってきたタイミングでマックスは、演劇の先生であることを名乗ったまま、授業が終わってから娘と講堂で会う約束を取る。

翌日、娘が講堂に行きマックスは、会話を始める。
「マズったな、逮捕を?」マックスは煙を吹かしながら娘をみつめる。
「いいえ。学校でマリファナなんか」
「教師の特権さ。緊張がほぐれる。講義を?」
「あなたが演劇の先生?」
「そうだよ」と、マックスは答えて娘にマリファナを薦める。
そして娘の持っている本の話題から入り、作品内の性表現が法律に触れ発禁になったヘンリー・ミラーの小説について語る。娘は両親の本棚から盗み出して「北回帰線」を読んだことを告げる。

その後、娘は話の途中で演劇の先生を名乗る男が、父や母が警戒している男であることに気がつく。
「ここで何をしてるの?」
「君と話をしたかったのさ」
「どうして?」
「君がどんな娘か知りたかった。君がいい娘かどうか。俺達の間に怒りはない。本音
で話してる。」
さらに娘の父の事を「恨んでいない」と語った後で、マックスは「君を抱いてもいいかい?」と、問う。娘は少し考えて照れながら「抱いてもいいわ」
マックスは娘に熱いキスをする。娘は逃げるように走って講堂の外へ出る。

当映画を再度見て気が付くが、ムキムキ中年のロバート・デ・ニーロが、15歳の少女を誘惑するところが一番の見どころというわけではない。嵐の船の中でのマックスと弁護士一家の戦いなど、ハラハラさせる仕掛けが満載で、サービス精神旺盛の映画だった。