
「痴漢電車 あの娘にタッチ」1988年制作 日本
映画館にて、一人の女性が映画が終わっても、帰らないで眠りこけている。館主は、「もう映画はおわりましたよ。」と彼女を揺り動かすのだけれど、起きない。気がつくと、その女性は睡眠薬自殺を図ったことがわかる。「好きな映画を観ながら死んでいきたかった」と、いうのが、あとで生き返った彼女が言った理由だった。
と、いうなかなかつかみのいいスタートで、渡辺元嗣監督の「痴漢電車 あの娘にタッチ」は映画としても面白い。
あまりタイトルの痴漢電車とは関係がないが、その自殺を図った女性の恋人が「痴漢男」演じる山本竜二で、これが関心するほど演技がうまい。ただ、観ているだけで面白さをかんじさせるという点では、竹中直人と通じるところがある。
主役の荻野目翔子とは別に、物語の中で映画館に通ういつも二人組の女性がいるのだが、そろって突拍子もない声を出して笑う。そのヘンテコさ加減がなかなかシュールで、ラスト近くに再登場して、気持ちをくすぐる。
ということで、普通の映画と比べてかなりお金がかかっていないのだろうけど、面白い映画はお金とは関係なく面白いのだ。同じ監督でおなじようなタイトルで作っているのもある。ぜひ他のも観たいと思った。