
「楽園(2019)」2019年製作 日本
ポータルサイト「Yahoo!」で、数本の映画の記事を読んだ。それで気がついたのは、その映画記事の元が、TRILLというサイト記事が多いという事だ。
サイト「TRILL」での映画やドラマに関して書いた記事のタイトルの付け方に感心する。読みたい気にさせるテクニックを感じるのだ。一方で、『タイトルで読者を引っ張るのではなく、記事の内容で読者を増やしていくべきだろう・・・・・』という気もする。
たとえば、最近クリックして読んだ内容の映画記事のタイトルは・・・・・・
『「ただただ辛い…」「二度と観れない」“度肝を抜く脚本”に悲痛の声も…だけど「異様なレベル」主演俳優の快演に“衝撃走る”名映画』
「度肝を抜く脚本を書いたのは誰?、異様なレベルの主演俳優の快演をしたのは誰?、そもそも、映画のタイトルは何?」との気持にさせる。つまり、タイトルの中に、知りたい気持ちを増殖させていくフレーズが並べられ、クイズのように映画名は伏せられている。
記事を読むと、その映画は2019年に公開された「楽園(2019)」という映画であることがわかる。ベストセラー作家・吉田修一の短編集「犯罪小説集」を、瀬々敬久監督が映画化した。
ある夏の日、青田に囲まれたY字路で少女誘拐事件が起こる。事件は解決されないまま、直前まで被害者と一緒にいた親友・紡は心に深い傷を負う。12年後、同じY字路で再び少女が行方不明になる。犯罪をめぐる喪失と再生を描き出す。
そもそも誰が少女を誘拐したのかという謎があるので、退屈はしないし先が気になるストリー展開となっている。
Y字路が親友との運命の分かれ目になり、親友がいなくなってしまったという負い目を持ちつつ生きている女性を、杉咲花が情感豊かに演じていた。また、柄本明のいかにもいなかの農村にいそうな頑固おやじの演技がはまっていた。
だから映画としては面白い方なのだろうけど、登場人物が多くて事件との関連性がわかりづらい。
物語に、両親が亡くなってから実家に戻り、養蜂場を経営する男・善次郎が出てくる。パン屋に勤めていた奥さんを亡くして、未だに忘れられずにいる。佐藤浩市演じる善次郎は、村おこし事業や飼い犬の事件によって、次第に追い詰められていく。追い詰められた善次郎は土を食べ草刈り鎌で自分の腹を刺す、という過激な描写もある。でもここが、物語に散漫な印象を残した。
本作品のストーリーは原作小説『犯罪小説集』の中の2編『青田Y字路』と『万屋善次郎』を組み合わせているとの事。それがわかりづらくさせている。どちらか1本に絞って映画化するべきではなかったのか。
映画記事のタイトルの『“衝撃走る”名映画』というフレーズには届いていなかったと思う。演技力のある俳優が出ていただけに、惜しいと思う作品であった。
参照:「ただただ辛い…」「二度と観れない」“度肝を抜く脚本”に悲痛の声も…だけど「異様なレベル」主演俳優の快演に“衝撃走る”名映画