
5月15日、家族と共にさいたま市のマンションに住んでいた無職・斎藤純容疑者(31)の部屋から、彼が殺害した当時21歳の宮本果歩(みやもと かほ)さんの頭蓋骨が発見された。頭蓋骨は三つ発見されていて、そのうちの二つはネットで購入したものだった。
● 血を掃除するコツを学んだ
県警の調べに対して、斎藤は概ね次のように供述している。
「殺したことに間違いないが、合意の上で殺している。女性とはSNSを通じて知り合い、自宅マンションに招いてロープで首を絞めた。遺体は部屋で解体した後、ゴミ捨て場に捨てたり、部屋で保存したりしていた。小さいころから殺人願望のようなものを抱いており、ずっと頭の隅には『人を殺したい』という概念がつきまとっていた」
自分が殺害した人の頭蓋骨を、見つかってもかまわないと言わんばかりに部屋に置くという、その感覚がわからないのでこの事件は心に引っかかった。
週刊文春7月3日号では、彼の事件が「埼玉頭蓋骨殺人 親友が独占激白 「斎藤純を狂わせた宗教と兄の死」というタイトルで、特集記事が組まれた。
ニュースでは、斎藤の職業に関して無職というだけの紹介になっていたが、週刊文春の記事を読むと、東京都内の高校を卒業後、フリーターとして職場を転々としていたという。勤務は長く続かず、その中で唯一続いたのが、地元の病院での清掃バイトだった。
「オペ室の清掃を担当していた。血を掃除するコツを学んだり、肉片を処理したり。二年ほど働いていましたが、彼にとっては長続きした職場でした」(斎藤純の親友)
清掃のバイトが彼の犯罪をカバーする知識を身に付けさせてしまったわけだ。
週刊文春の記事では、母親が宗教にはまってしまった事により兄の死に結びついてしまった悲劇が述べられている。
● 兄貴の命よりエホバを優先した
斎藤の親友が、彼が家族に対して複雑な感情をいだいていたことを振り返る。
「母方の祖父母や母が新興宗教『エホバの証人』の熱心な信者で、純はいわゆる”宗教三世”として育てられました。思春期の男子なら珍しくないとは思うのですが、彼はナイフや武器が大好きな少年だった。ナイフは凶器であり、血を想起させるもの。でも家では『血を避けなさい』という教義が絶対なため、悩んでいました」
斎藤の”エホバへの憎しみ”を決定づけるある出来事が起こる。
「お兄さんがバイク事故に遭って亡くなってしまったのです。とても気さくで友達も多く、バンドもやっていて、純はその姿に憧れていました」
兄の死について、斎藤はこう打ち明けた。「兄貴は脳みそが出てしまうほど重症だった。そんな状態でも教義では輸血を禁じているから、十分な治療を受けられなかった。輸血していれば助かったかもしれない。両親は兄貴の命よりエホバを優先したんだ」
斎藤の親友は続ける。
「純は『エホバのせいで兄貴が死んだ』と口にしていた。兄の死に直面し、やり場のない怒りをぶつけているようにも見えた」
その純の言葉を受けて親友は、「彼を狂わせ、事件に向かわせたのは『エホバの教え』と『兄の死』なのではないかと考えるに至りました」
エホバの証人と言えば、聖マリアンナ医科大学事件という事件を思い出す。
1985年6月6日,川崎市で自転車に乗っていた10歳の男児がダンプカーに接触し,転倒,両足を骨折し,骨が露出した。救急搬送先の聖マリアンナ医科大学病院では手術が予定されたが,輸血準備中にかけつけたエホバの証人の信者である両親が輸血を拒否した。
病院側は両親に対し説得を続けたが,他の信者もかけつける中,両親の意向は変わらず,男児は約5時間後に出血多量で死亡した。
その他にもエホバの証人の信仰をめぐる社会的問題は多数あり、ネットで検索すればみつかる。但し、斎藤純の殺人に至る原因を「エホバの教え」と「兄の死」と決めつけるには、まだ説得力に欠けるように思える。
参照:《さいたま頭蓋骨殺人》斎藤純容疑者“殺人願望の原点”「宗教のせいで兄貴は死んだ」
エホバの証人の信仰 川崎事件