2017年に神奈川県座間市で、男女9人を殺害したとして死刑が確定していた白石隆浩死刑囚(34)に対して、6月27日に刑が執行された。

日本での死刑執行は、東京・秋葉原で7人が殺害された無差別殺傷事件での加藤智大死刑囚に、2022年7月に執行されて以来になる。今回の執行により全国の拘置所に収容されている死刑囚は105人となった。

● 死体自体への興味をうかがわせる
この事件に関しては、2017年に事件の事や白石の印象を別のブログに書いていた。

事件当時、白石隆浩は27歳。2017年8~10月、ツイッターなどで知り合った男女9人を神奈川県座間市のアパートで殺害したと供述した。被害者をSNSで誘い出して性的暴行をしたうえ殺害し、現金を奪ったなどとして強盗殺人などの罪に問われた。

白石の写真を見るかぎりでは、殺人鬼には見えず、むしろ優しい人に見えるところが、被害者を油断させる原因の一つになったのかもしれない。

ツイッターで自殺に関する書き込みなどをした被害者が、白石隆浩に「一緒に死のう」などと自宅に誘い込まれ殺害された。9人のうち3人は15~17歳の女子高生だった

事件発覚当時、捜査関係者が声を潜めて言った。
「白石は金銭目的と死体愛が複雑に絡み合う無秩序型の殺人犯。八月末、一人目の女性を殺害後、(白石容疑者は)スマホで『死体の解体』『腐敗臭の抑え方』といったワードを検索し、遺体の解体方法に関するサイトを閲覧していた。さらに『屍姦』『死体を食べる』というような、死体自体への興味をうかがわせるワードの検索履歴があった。同時期には、海外の死体写真サイトを閲覧した形跡もありました」

● 彼女ならここにいますよ
この事件を知ったときに捜査員の問い詰めに、白石があまりに自然体で答えた様子に驚いた。週刊文春2017年11月16日号の記事に以下のように書かれていた。

(2017年)10月30日午後4時半過ぎ。築30年のアパートの2階のワンルームで白石と対峙した捜査員は、こう切り出したという。

「田村愛子さんを知っているか?」
白石隆浩は捜査員を一瞥すると、玄関のクーラーボックスを指差し、自信に満ちた声色でこう答えた。
「彼女ならここにいますよ」
わずか13㎡の部屋で捜査員が目の当たりにしたのは、クーラーボックスに収納された九つの頭部だった。

週刊文春には、白石と知り合った女性の話しも掲載されているが、そのなかで、彼を『犬』とたとえた表現が気になった。もう少し、犬と呼んだ状況や彼と女性との関係を詳しく知りたいと思った。彼にとってその女性はどんな存在だったのか。

「私にとって、隆浩は従順な”犬”でした。でも、当時から自殺にも詳しくて『本当に自殺したいなら床から十センチのところに輪っかを吊って、うつ伏せでやるのが楽だよ』って話していました。

仕事を紹介した女の子が飛ぶ(音信不通になる)ことが続くと、鬱っぽくなり「仕事場に居場所がない』と言うんです。今年(2017年)1月初旬には『消えたい。人生ログアウトしたい』と漏らしていました」

ニュース記事では、事件に使ったロープの件が取り上げられている。ロープの存在が生々しく感じられてくる。

逮捕された神奈川県座間市の白石隆浩(27)は、警視庁の調べで、「女性たちを自宅のアパートの部屋に誘い込み、ロープで殺害した」と供述している。その後の調べに対し、白石は「事件に使ったロープは、そのつどホームセンターで3メートル分購入した。全部で10本買った」と供述していた。

● ずっと暗い人生だった
白石はかつて「両親が離婚した。それからずっと暗い人生だった」と、周囲に語っている。母から”捨てられた”という意識が彼の心に深い影を落としたのか。

白石のアパートから車で10分。今は白石の父が住む「実家」近くの住民が言う。「今年のいつだったかな、お父さんと道で会ったんです。そうしたら“これから息子と呑むんだ!”と嬉しそうな顔をして言われましてね。仲のいい親子。そう思っていたんですけどね」

町内会のメンバーが言う。
「お母さんは主婦で、PTAの役員もしていました。一方のお父さんは、とても親切でね。ご近所さんが病気になるとお見舞いをしたり、雨に濡れている人を見れば傘に入れてくれる。“気にしないでいいから〜”と言って、最後はハンカチで肩を拭いてくれるような人なんです」

ところが、「10年ほど前、隆浩クンが高校生の頃だと思いますが」とは、白石家と親しい、別の近所の住民が語る。

「奥さんが妹さんだけを連れて、家を出てしまったんです。“離婚したの?”とお父さんに聞いてみたら、“違いますよ”“娘が遠くの学校に通うようになりましてね。心配なので、母親も付いていくことになりました”と。でも娘さんはもう大人なのに、奥さんはまだ帰ってきませんね」

現在、その母と妹は、座間市から車で50分ほどの、川崎市内のアパートで暮らしている。

デイリー新潮編集部の記者が部屋のインターホンを鳴らしたが応答はなし。また、父も実家から姿をくらましたままとのこと。

● 反省の色が見えず、不誠実
白石隆浩の刑が執行されたことについて、それぞれ複雑な想いを抱いている。

殺害された福島市の当時17歳、高校3年の女子生徒の父親は
「何も変わりません。ふだんと一緒です。死刑で簡単に命を落とすよりは生きて自分のやった罪を考える時間があった方がいいのではないかと思っている」と話した。

殺害された埼玉県所沢市の当時、大学2年だった女性の恩師が取材に応じた。

猪俣修さんは、女性が中学3年だったときの担任を務めていて当時の様子について
「真面目で努力家だった女性が志望する高校に合格するため懸命に勉強していたのが印象に残っている」と振り返った。

猪俣さんは裁判を傍聴していたということで「裁判のときは反省の色が見えず、不誠実に見えました。死刑が執行されて安心した気持ちがある一方、きちんと罪に向き合ってほしかったです」と話していた。

女性に対しては「死刑が執行されたからといって彼女が戻ってくるわけではないので、安らかに眠ってくださいとしか言えません」と話していた。

参照:神奈川 座間 男女9人殺害 白石隆浩死刑囚に刑執行
              【ついに死刑執行】「両親が離婚した。それからずっと暗い人生だった」 死刑執行の白石隆浩