「ヤング・シェルドン シーズン1」公開日:2019年07月26日 アメリカ 原題:Young Sheldon Season1
 

最近のぼくの日課は夕食の後にドラマ「ヤング・シェルドン」を見る事だ。1話が18分~21分なので、毎回、3から4本くらい見ている。

シーズン1では、9歳の天才少年シェルドン・クーパーが主人公で、この子は飛び級で兄と同じ高校に通うほどの天才的な頭脳を持っている。

シェルドンには、双子の妹がいて、同じクラスになった高校生の兄がいる。お父さんは、高校のフットボールのコーチをしている。また、過保護で敬虔なお母さんがいて5人家族だ。ドラマは毎回笑わせてくれて、暖かな気持ちにさせてくれる。

ちなみに日本では小学校・中学校での飛び級は原則としてなくて、大学で、飛び入学という制度がある。高校に2年以上在籍して、大学が定める分野で特に優れた資質を有することが条件となる。だから、高校3年を飛び級するだけという事になる。


「ヤング・シェルドン シーズン2」公開日:2020年08月10日 アメリカ 原題:Young Sheldon Season2

今日はシーズン2の16を見た。シーズン2では、シェルドンは10歳になっている。

天才少年から発せられる数学的な難解用語は気にせず、笑いながら見ているが、今回は気になった箇所があった。”共産主義”に対する反応だ。物語は、「1斤のパンのせいで僕たち家族はアメリカから追放されかけたのだ」という説明で始まる。

友人とシェルドンがランチをしている時に、シェルダンが「サンドイッチが変だ。味が違う」と告げて原因を調べる。結果、企業の買収後にパンの味が変わったことに気づく。シェルダンは署名活動に伴い、テレビ局に「感動的なネタがある」と電話をかけ、”少年が強欲な企業と戦う”というネタをアピール。主張が放送される。
                          
シェルドンは、企業合併後に「早く安くパンを作ってる」と主張。「それで抗議の署名を?」とアナウンサーから聞かれ、「はい。企業が方針を決めたらダメだ」「では誰が」の問いに対し・・・・・・

「パンを食べる人だ。政府が企業を管理すればいい」
「共産主義政府が必要だと?」との確認に、「そうですね」シェルダンが軽く答えたところで、同席のおばあちゃんがあわててシェルダンと共に画面から消える。「御覧のようにシェルダン・クーパー君はテキサスに共産主義が必要だと」まとめたアナウンサーの言葉を聞き、見ていたお父さんは「マずい」と、青ざめる。

さっそく、遊び相手のお母さんがやってきて「息子をビリーに近づけるな。イカれた考えを吹き込まれたら困る」、学校では白い目で見られ、「反逆者」「ソ連に帰れ」とヤジられる。シェルダンは冷静に「帰れも何も行ったことがない」

父親が校長から呼び出される。校長は「抗議の電話ばかりだ。悪いが共産主義の疑いのあるコーチを…」解雇通知をしようとするが「ちょっと待ってくれ。俺は愛国者です」と説明し、切り抜ける。アメリカでは「共産主義=ソ連」という式になるようだが、1990年にもそんなにタブーになっているのかと、驚いた。

アメリカと共産主義に関して、ケント・ギルバートがわかりやすく説明している文章をみつけた。そこには要約すると以下のような事が書かれていた。

・日本で不思議なのはメディアが共産党や社会党を持ち上げ、ソ連や中国を賛美する。
・アメリカでは、共産党が1954年に非合法化されている。国内では共産主義を標榜する活動をやってはいけないし、そういう政党を結成することも禁じられている。
・ハリウッドで売れない俳優だったロナルド・レーガン大統領は、FBIのスパイとして「赤狩り」に協力していた一人。ハリウッド内の共産主義者を密告していた。
・当時のアメリカは、それだけ共産主義者の国であるソ連を恐れていた。
・小学校に入学した1957年、「防災訓練」が頻繁にあった。防災といっても、ソ連による核攻撃に備えてのもの。授業中に警報音がなると、生徒は急いで自宅に帰った。


そのような背景があっての、共産主義に対する過剰にも見える反応だったわけだ。

物語はシーズン6まであり、夕食後のドラマとして当分の間、楽しんで見れそうだ。  

参照:ケント・ギルバート 本当に怖かった共産主義