「モスラ対ゴジラ」1964年製作 日本
 

双子の女性歌手「ザ・ピーナッツ」の歌う「モスラの歌」を急に聴きたくなった。「モスラーヤ、モスラー」で始まる一度、聴いたら忘れられなくなる歌だ。

YouTubeでその歌はあげられてはいるけれど、映画の中で聴きたいと思って、本多猪四郎監督の「モスラ対ゴジラ」を見た。

大型台風の後、インファント島から漂着したモスラの三〇メートルもある巨大な卵が、海で発見されたところから物語は始まる。その卵をめぐって漁師は「この浜で採れるものは全部おれたちの物だ」と主張する。その漁師達からテーマパークの建設計画をする悪徳興行師にモスラの卵は売られてしまう。

モスラの卵は金になると、興行師と政界ボスたちが悪だくみをしていると、「お願いです。卵を返してください」と、甲高い声が聞こえる。それはザ・ピーナッツ演じる双子の小美人で、大きさが手のひらサイズくらいだった。小美人をも商売の対象にしようと考え、つかまえようとするのだが、スルリとかわされてしまう。

その双子が登場したとたん、どこかSF的な物語の雰囲気が強くなる。そんなに小さな小美人が登場しても、見た人が驚かないし慌てないし、昔からいるかのように接しているのが面白い。

ゴジラは、冬眠から醒めたかのように、台風被害を受けた干拓地の中からいきなり登場して、名古屋市を蹂躙する。そのゴジラの退治を、卵ばかり食べていつも叱られているお気楽な社員が「ゴジラをモスラに倒してもらえばいい」というアイデアを提供する。

そこで、モスラの協力をお願いするために博士や新聞記者達が、小美人が住んでいるインファント島に行く。モスラの歌を歌う小美人(ザ・ピーナッツ)の姿を楽しめる。

島の人々はどことなくシュールでユーモラス。住民の赤い肌の色や、語る言葉を楽しめる。彼らは、片言の英語で語ってみたり、外国人がよく使うイントネーションで日本語を発していて、その統一性のなさが微笑ましい。

モスラとゴジラが戦って、モスラが力尽きた後は、巨大な卵から生まれた双子のモスラの幼虫が活躍する。モスラの幼虫二匹が海を渡って、小学校の生徒が残された岩島に到着したゴジラを攻撃する。

口から白い蜘蛛の巣のような毒糸を吐いて、徐々にゴジラをぐるぐる巻きにする。攻撃の最中にゴジラはイヤイヤをするかのように、もがいて手をフリフリ。なんだか赤ちゃんがイヤイヤをしているようにも見え、また踊っているかのようにも見え、独特な愛嬌を感じてしまうのだった。