ダイエットをしたい10代の少女シミ―が、有名な料理研究家で本も出している叔母の家を休暇を利用して訪ね、悪夢のような体験をする物語。ペーター・ヘングルの長編初監督作となるホラー作品。

叔母の家では彼女に溺愛されている生意気で屈折している一人息子の少年・フィリップがいて、叔母の新しい夫のシュテファンも同居している。

主人公の少女シミ―は、顔は可愛いけれど体はかなり太っている。その体形なので女性は少年に「モテないだろ?当然だよな」と言われたりする。

でも、観ているうちにそのさえない少女シミ―から目が離せなくなる。シミ―は、奇妙な一家のそれぞれの言動を静かに観察する。シミーの冷静な表情とは別に、彼女が感じる違和感がひしひしと伝わってくる。

シミーと少年と叔母の夫との三人で、狩猟に行く場面が強烈だ。ウサギに狙いを定めた少年に叔母の夫が「息を止めろ」と告げて少年は撃ち、ウサギは倒れる。

ウサギの体は痙攣を起こしまだ息をしている。叔母の夫は「苦しませるな。とどめを刺せ 聞こえたか?」と言い少年は撃ったウサギの足を持つ。ウサギの静かな鳴き声が聞こえ続ける。「早く!」「やるんだ」

少年はどうしてもとどめを刺せない。叔母の夫は「ここを切るんだ」とウサギの首のあたりを示す。「かわいそうだろ 早く楽にしてやれ」そのやり取りが続く中、シミーが前に進んでウサギの首を切る。首から、血が滴り落ちる。

その後で、シミーは叔母の夫から「ついておいで 後始末しなきゃ」と、小屋に呼ばれて、うさぎの皮剥ぎと解体を手伝わされる。その場面は人間が動物の肉を食べるとは、こういう事なのだということを再認識させられる。

シミーは少年にますます嫌われ「来るなよ、デブ」と言われるが、「助けたかったの」とシミーは告げる。「救いの神かよ!」と、少年は吐き捨てる。

この作品は動物の殺される場面など、見たくないという人には向かない作品だ。それにストリーの後半の展開がやや読めてしまう。それでもこの映画には、見ることをやめさせない不穏な魅力がある。見続けさせる作品の力というものの不思議さも感じた。