「バレリーナ」 2023年製作 韓国 原題:Ballerina
元同級生で親友の残した最期の願いをかなえるために、1人で犯罪組織に立ち向かう女性の復讐劇を描いたバイオレンスアクションのNetflix作品。
「バレリーナ」というシンプルなタイトルが良くて、想像力を刺激してくれる。イ・チュンヒョン監督と、主役を演じたチョン・ジョンソは恋人同士との事。
コンビニと思われる店内で、店員はカウンターでのんびり袋菓子を食べながらゲームをしている。そこに現れた怪しげな男性の4人組。その一人はお金を払わず店内のものを食べてしまう。「お客さん、先に会計を」と言った瞬間に、店員は殴られて、のんびりした店内の空気が一変する。4人はコンビニ強盗だった。
強盗にレジの金を盗まれている店内の緊迫感とは無関係に、一人の女性がカウンターに買った品を載せて、「すみません、会計を」と、お金を払い「お釣りは?」と店員に尋ねる。そして強盗が取ったお金の袋に手を入れ、お釣りを取り出す。
「何のつもりだ?」と、コンビニ強盗に喉元にナイフを突きつけられ、それからのアクションが実に見事でほれぼれするカッコよさ。あっとゆうまに見終わってふと思うに、『主人公・オクジュの女性の職業は?』元警護員とは言っても、射撃場でチラリと姿を見せただけで、正体が今一つ不明だ。『どんな過去があるの?』と、想像力をふくらませてしまう。
導入部分で入るバレーシーンは黒に近い群青色と白のコントラスト。そこでのバレーシーンが短いながらも美しい。そこに不穏な苦悶の表情の主人公の親友のミニ。
でもオクジュの人生に踏み込んだ表現はストリーにない。少しキアヌ・リーブスの「ジョン・ウィック」のような感じもあるけど、物語の面白さとしては、ぼくには「バレリーナ」の方が上と感じた。
またある場面で、ケーキ屋に入った主人公に店員が聞く。「お誕生日ですか」「はい」「誰の?贈る相手によって包装を変えているんです。恋人の誕生日?」「いいえ」「じゃあ家族かな?友達?」「私です」「すごい。今日があなたの誕生日?」「えっ?」「オクジョ 私よ。イェファ中学2年7組のチェ・ミニ」と笑顔で店員が答える。
親友となる元同級生ミニとの再会の場面。その何気ないやりとりが心に残るのは、店員の明るい笑顔と主人公の無口で内気な表情の対比がいいから。
こうゆう、アクション映画に一息つけさせる静かなシーンが活きているので、映画の印象がいい。心に残る場面が多く「バレリーナ」は好きな作品の一つだ。
