「ラバー、ストーカー、キラー」2024年製作 イギリス  原題:Lover, Stalker, Killer
 

実話を元に再現されたNetflixのドキュメンタリー映画作品「ラバー、ストーカー、キラー」を配信で見た。この作品も前回に取り上げたドキュメンタリー映画「ジェニファーのしたこと」と同様に、思いがけない逆転劇があり面白かった。

自動車整備工場で働くデイブのこんな言葉から物語は始まる。「責任を感じなくはない。善人に多くの不幸が起きた。一連の出来事の中心に私がいた。」

警察関係者は語る。「遺体も凶器も見つかっていない。殺害現場も不明、殺人事件の裁判ではありえない」。

2児のシングルファーザーのデイヴ、彼は35歳で子供は奥さんが引き取って一人暮らしの独身生活。それで自由を楽しむためにマッチングアプリを始める。

最初にリズという清掃会社の経営者である34歳の女性と知り合う。動物好きで子供が2人いる。体の関係もできたが、デイヴは「一人に限定するつもりはない」と彼女に伝える。

またある時、車の整備をしていたら第一印象で「すごい美人だ」と思った女性が「車を見てもらえる?」と、仕事を依頼する。

対応した後に2度と会うことはないと思っていたら偶然、出会い系サイトで彼女を見つける。名前はキャリといい37歳、交際をスタートする。彼女はコンピューター関連の仕事をしていて賢くセクシーだった。

自宅に呼んだその晩に、マッチングアプリで出逢ったリズが、ディヴの家を訪ねてきて「私物を取りに来た」という。デイヴは2人のかち合わせで気まずく思っていたら、キャリは帰ってしまう。

その後で、デイヴが電話をしたらキャリの家に誘われる。キャリは伝える。「つき合う気はない、結婚もしない。ただ楽しみましょう」。それから彼はキャリとよく一緒に過ごすようになる。

付き合って2週間後のこと。ここから奇妙な展開となる。彼のもとに急にキャリからメールが来る。「私たちは一緒に住むべきよ」ディヴは「そのことについては話し合ったと思った」と、返信するが「いいわ クソ野郎」。

そして内容は罵倒と嫌がらせの山のようなメール攻撃がスタートする。他のストーカー行為も次から次へと始まる。

この事件の女性のストーカー行為はあまりに粘着質で怖い。車に傷をつけるだけではなく、放火まで起きる。内容はフィクションで違うが映画「危険な情事」(1987)を思い出させた。

当事件のストーカー行為は、相手から受けた傷を何倍にも返そうとエスカレートして、自分を見失ない犯罪行為にまで手を染めている。相手にダメージを与えるつもりが、自分自身にもダメージが返ってくる。破滅するまで突き進む人間の心の不思議さを映画は描いている。