6月に埼玉県から出身の青森県に引っ越した。

そのタイミングでTSUTAYA経由で入っていた動画配信U-NEXTをやめて、かねてから興味があったNetflixに入会した。

どのコースを選ぶか迷ったが、「広告つきスタンダード」のコースは、『広告も無い場合も多くテレビと違って見やすい』という友人の情報を信じて、それを選択した。今のところドラマはほとんど広告がつかずに視聴できている。広告つきプランだという事を忘れるほどだ。

U-NEXTと比較すると、Netflixは自社制作のドラマが多く、そこをアピールしていて過去の映画やドラマの数は少ない印象だった。またU-NEXTは、日活ロマンポルノやグラビア・セクシーイメージ、アイドルイメージ系のエロス系があってお色気方面でも充実している印象だったが、Netflixはそこはないに等しい。ドラマ「全裸監督」では、AV監督の村西とおるをモデルにしたくらいだから、性表現の娯楽には寛大なのかと思ったらそうではなかった。

それで、ガッカリしてU-NEXTに入り直すかというと、そうはならなくてNetflixで充分に楽しんでいる。まだ6月に入会したばかりなので、多くの作品を見てはいないのだけれど、評判になったドラマを見てその面白さにはまっている。

日本ドラマや日本人俳優もNetflixで見直した。いかにスポンサーの制約の中で制作されたテレビのドラマがつまらなくなっているかがわかる。Netflixの「全裸監督」、「サンクチュアリ -聖域-」の面白さはすごい。

そして最初に話題になった韓国ドラマの「愛の不時着」も、現在見ている最中だ。北朝鮮が舞台になっていて、そこでのあまりに前時代的な生活を描写していて、一風変わった味付けのドラマになっている。


「クイーンズ・ギャンビット」 公開日:2020年10月23日 原題:The Queen's Gambit アメリカ
 

その中でも、もう一度観ようと思うほどはまったのが、天才チェスプレイヤー少女の活躍を描いた「クイーンズ・ギャンビット」。1950年代の孤児院で育った少女ベス。用務員にチェスを習い人並外れたチェスの才能を開花させた少女は、孤児院で与えられた安定剤と、アルコールへの依存症に苦しみながら、想像もしていなかった華やかなスターへの道を歩いていく。

2020年12月に、完結型のNetflixドラマシリーズのなかで最も成功した作品で10月の公開後28日間で、配信されている約半分以上の国でトップ10入りした。イギリス、アルゼンチン、イスラエル、南アフリカなど、計63の国でランキング1位を記録したとのこと。

原作小説は出版後37年を経て、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーに登場し、Googleにおけるチェスに関する検索数が2倍になった。老舗のボードゲームメーカーGoliath Gamesではチェスの売り上げが170%増加したことが発表されている。ヒットドラマの影響力はすごいものだ。

ぼくは将棋のルールはわかるけれど、チェスのルールはわからない。それでも見てこんなに楽しめたのだから、一通りチェスルールを学んでからドラマを見直したいと思っている。

幼少期のベスを演じたアイラ・ジョンストンは孤児ゆえの不安な心情を言葉少なく表情で表現する演技が光っていた。その後の主人公のベスに起用された女優アニャ・テイラー=ジョイは画面に映し出される大きな目が見応えがあって、目の中に気持ちが惹きこまれていく。彼女のチェスプレイをしている時の表情を見ているだけで、退屈しない。

また、ロシア人で、最強のチェスプレーヤーのボルフを演じたマルチン・ドロチンスキの理性的な表情も実にうまかった。チェスをプレイしている時には、お互いに会話は交わさない。会話がないので、お互いの表情とチェスを動かす動作と駒を動かすときの音だけが画面で伝えられる。その限られた表現でこちらに勝負の緊迫感がひしひしと伝わってくるのだから、すごいと思う。

クイーンズ・ギャンビットは、みんなに薦めたい必見のドラマと言える。

参照:「クイーンズ・ギャンビット」超話題3つの理由