「万引き」というと語感がそしてイメージが、軽い犯罪を瞬間的に思い浮かべてしまう。でも、万引きされるお店側にとっては、自分たちの生活を脅かす重大な犯罪行為であろう。

ところで、何で『万引き』と言うかを検索すると、商品を間引いて盗むことから「間引き」が語源で撥音「ん」が入った為と言われている。 万引きの「万」は当て字との事。 

その万引きに関連する記事で最初に目に入った文章は『高齢者のなかには「さびしい」から万引きをする人もたくさんいるんですよ。スーパーしか行くところがない、かまってもらいたい、心配してもらいたいという欲求から万引きを犯す人もいます。」とのことで、これはしみじみと淋しい話だと思った。

想像していない万引きの実態があるのだなとも思った。前編の「「小泉進次郎は本当にふざけている」マイバッグとセルフレジで万引きが激増~」も読んだ。なぜ小泉進次郎が関係あるかというと、万引きGメン歴24年のキャリアを持ち、これまで6000人以上の万引き犯と対峙した伊東ゆう氏が語る。 

『「レジ袋有料化」と「マイバッグ」が万引きのスタイルを大きく変えました。購入した商品と万引きしたものを混ぜたり、お弁当をレジに通さず、そのまま電子レンジに持っていったり……。このように万引き犯が「言い逃れしやすい」のが昨今の状況です。レジ袋有料化を進めた小泉進次郎は本当にふざけてますよ。』

最近のセルフレジも万引き犯にとっては歓迎すべきツールになっているとのこと。

『複数の商品をレジに運んでも、実際にスキャンするのは1個だけ。未精算の商品はわざと落として、拾い上げつつ、そのままバッグへ……。万引きを指摘したとしても、「うっかりしてた」と相手は言い逃れできてしまう。あとは自分で買ってきた半額シールを勝手に貼り付けたり、自作の値札まで持ってくるヤツもいますよ。』

また、なぜ万引きを通報しないほうがいいかというと、万引き犯に割かれる時間が長いから。全件通報は、お店側にとって負担になってしまうという。


『警察を呼ぶと、防犯カメラ映像のチェックや事情聴取などで、めちゃくちゃ時間がかかってしまうんですよ。少なくとも1件につき3時間。その間、従業員も仕事ができないわけですから、お店にとっては万引き犯を見つけても通報しないほうが得なケースもあるんです。』

大事なのは声かけとのことで、秋葉原のお店を例にしてこのように伝えている。


『秋葉原のフィギュアを扱うお店なんか、高額で商品も持ち運びやすいから、一見万引きも多く見えるでしょう? でも、以前テレビの企画で10日間見張ったことがあるんですが、万引き犯が1人も出てこなかったんです。疑問に思っていたら、店員さんの店や商品に対する「愛」がハンパじゃないんですよ。お客が少しでも商品を乱暴に扱ったら、即注意する。それが効いているんじゃないかな。』

万引きGメンのインタビュー記事は、読み応えがあり、話していないエピソードもまだまだありそうだ。伊藤ゆう氏は数冊の本も出しているからそちらも読んでみたいと思った。

参照:「小泉進次郎は本当にふざけている」マイバッグとセルフレジで万引きが激増…