「チャイナ・ムーン」1994年製作 アメリカ 原題:China Moon

ジョン・ベイリー監督の「チャイナ・ムーン」を見た。

ある日、刑事が美女と知り合ってどんどん惹かれていくが、それが人生のドツボにはまるきっかけであった。というよくある物語のパターンなんだけど、これが面白かった。物語の展開もテンポも良かった。

主人公は刑事のカイルで、相棒は新米刑事のラマー・ディッキー。二人とも、ハンサムなので、見栄えがする。

仕事帰りに寄ったフロリダの地元のバー。相棒がトイレに立ったときにふとカウンタ―に座るひときわ目を引く白いドレスの美女・レイチェルをみつける。目が釘付けとなって、彼女の姿を追って話しかける。あまり自分に感心を向けないのが、カイルの心にさらに火をつけてしまう。

後日、レイチェルを追って話を聞くと、銀行のお偉いさんである夫に愛人ができ、さらには夫の暴力に悩んでいることを打ち明けられる。

ある日レイチェルは、夫の暴言と暴力に追い詰められ、ついに拳銃で夫を殺害してしまう。そこで、知り合った刑事カイルを呼び出す。

刑事は正当防衛だと言い、警察を呼ぼうとするが、レイチェルは自分に不利であることから、殺害した夫の処理と偽装工作をしてほしいとすがる。

あいにく大雨だった為に、穴を掘って埋めるのは難しいということで、湖へ死体を沈めにいくのだった。彼女と知り合ったことがきっかけに、思いがけない方向に自分の人生が傾いてゆく。

その後、レイチェルがカイルの提案通りに、夫の失踪を警察に届け出た。皮肉にも担当となったのが、自分とコンピを組んでいるディッキー刑事の二人。ディッキーが事件の矛盾をじわりじわりと暴いてゆく。

その同僚の鋭さが、自分とレイチェルの隠した夫殺害の罪と偽装工作を晒していく。そして自分がいつのまにかレイチェルの夫の殺害犯人に疑われていることを知るというお話。

映画タイトルの「チャイナムーン:China Moon」とは満月のことだという。ストリーの中にこのような場面がある。

主演の二人、刑事のカイルとレイチェルが初めてデートする晩に湖上に出ていたのが満月だった。 カイル刑事は祖母が「満月が中国の大皿のようだからと”チャイナ・ムーン”と呼び、この月は人々を惑わせるのだ」とレイチェルに話す。実際にこのカップルは(満月に惑わされた?)湖で衣服をかなぐり捨てて泳いで、抱き合う。

主役の刑事を演じたエド・ハリスがこのようなロマンチックな役をやっていたとは知らなかった。彼は表情があまりなくて、クールな知的な感じで、女性に溺れるという感じがしないのが難かもしれない。

また、言い方が悪くてファンの方にはもうしわけないけれど、頭頂部がつるつるの”カッパ頭風のハゲ”なので、恋愛シーンでロマンチックに抱き合っている場面などには向かないように思う。その頭に視線が行ってしまうのだ。

どうせなら完全に剃ったほうがいいのでは。もしくは、顔は整っているのだから、せめてかつらなどをかぶってもらえたら、物語に集中できてよかったと思う。



あと、相棒の刑事を演じたベニチオ・デル・トロは、映画「トラフィック(2000)」「21グラム(2003)」「ボーダーライン(2015) 」などでもお馴染みの顔だけど、若い時はこんなに綺麗な青年だとはしらなかった。ちょっとブラッド・ピット似で、独特な色気を持ち、彼の若いころに出演した映画をもっと見たくなった。「目が合っただけで妊娠する」(日本の某宣伝マン談)というセクシーさが売りだったというのも納得。

「チャイナ・ムーン」は気に入った作品の一つになったのだけれど、ジョン・ベイリーは撮影作品が多くて監督作品はウィキペディアで見るかぎりは、この1作品だけなのが惜しい。