10代の少女にUFOなどの映像を見せて「あなたは宇宙人に連れ去られて食べられる。死を回避するためには、性交するしかない」と洗脳し性的暴行を加えようとした74歳の男、渋谷博仁(しぶや・ひろひと)が逮捕された。
10代の女性を渋谷のいる家に『いい占い師がいる』などと言って自宅に呼びよせたのが、彼の43歳の元妻であるところも、この事件の不思議さを感じさせる点だ。
● のび太のような情けない性格
渋谷博仁の生活が、女性9人子供3人の共同生活であり、一夫多妻生活をいとなんでいることが、事件の内容以上に世間の関心を呼んでいる。
17年年前に事件を起こした時のマスコミの取材に対し、自身のことを「(『ドラえもん』の)のび太のような情けない性格」と語っていた渋谷もすでに74歳。無職で70代の男に、なぜいつまでも女性が離れずに生活をつづけるのか。
逆に彼がものすごく資産を持っている金持ちだとか、金がないけれど魅力的ならわからないでもないけれど、共同生活を続ける女性たちは何にそこまで惹かれているのか。
洗脳というには、あまりに長い期間で、彼の住む家の中ではどのような事がおこなわれているのか。彼が好きだから居るというのなら、なぜ9人もの共同生活が、お互いの大きなにストレスにつながらないのだろう。
などと疑問はつきないので、今回のブログの文章につけたタイトルのごとく「一夫多妻生活を選択した男、一夫多妻生活に選ばれた女」というドキュメントの本をだれか書いてくれないものだろうか。
できたら、あまりゲスな好奇心を満たすところに焦点を置くような作家ではなく、純粋に謎を解いていく作家に書いてほしいものだ。もしくはまったく異なった視点から書いてくれるような作家。
● 夢の中で『もてる呪文』
渋谷本人がまた人を煙にまくような男で、なんとも掴みがたい。
私立大を卒業後、アルバイトを転々とし、臨床検査会社に7年ほど勤務。1999年、約25年連れ添った最初の妻と離婚してから暴走が始まる。翌2000年4月頃、自宅で占いを始め、若い女性を次々と自宅に招くようになったという。
渋谷は2006年1月に脅迫容疑で逮捕されている。
当時25歳の女性に共同生活に加わるよう脅迫した罪などで懲役1年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けていた。逃げようとする彼女を「人に話したら命が危ない」などと脅し、自宅から押収されたのは、高圧電流銃や「ザ・殺人術」「催眠術師になりたい」と題された書籍だった。
当時渋谷と暮らしていたのは、女性11人と女児1人だった。その当時の渋谷が女性が自分に寄ってきたことをこのように語っている。
「今、日本で“一夫多妻”は認められてないけども、実質的にそれと同じことをやってる。確かに、この家の形態は、ものすごく珍しい形態で好奇心を抱くのは分かるんですけど。夢で見たことをやってみようと思ったら、ガラクタみたいなオヤジの所に、ウチの娘や子どもたちより若い人が集まってきて、何が良いんだかさっぱり分からない。
夢の中で、ある言葉をつぶやいてごらんと。そうしたら、どんなにモテない男でもモテるようになるよと。でも、このことを他言したら、お前の命をなくすぞと言われた」
「夢の中で『もてる呪文』を獲得し、占いにきた女性に試したら続々と女性が集まった。10人に6、7人は成功する。愛は分配している。私は狭心症で虚弱体質なので働いている女性に金を出してもらっている」
● 娘が洗脳されちゃって
渋谷に嫁いでしまった、両親の心情というのはかなり複雑なのではないだろうか、
近隣住民女性が話す。
「2006年の事件の時、逮捕後に妻たちを迎えに来るお母さんたちが多かったんですよ。『娘が洗脳されちゃって…』と言って、昼夜問わず1~2カ月は家の前に立ち続けていましたね。結局、取り戻せたのかはわかりませんでしたが、親御さんたちからすればたまったものじゃなかったでしょう」
共同生活を送っていた女性の母親は当時、取材にこう答えていた。
「渋谷から『霊がついている』と言われ、除霊のために共同生活を始めた。『私は自衛隊幹部。周りにはスパイがいる。ここを出ていけば、殺されたりする』と言われ、身も心も支配されていったようです」
今週号の週刊文春2月23日号では、数千万円を渋谷にみついでしまった女性がいるとのことで、A子という仮名を使い書いている。
東京都新宿区で生まれ育ったA子は地元の小中学校を卒業後、都内の女子高に進学した。
「身長160センチくらいで長身ではあるけれど、大人しい子でね。本当に目立たない普通の子。短大卒業後、23歳のときに就職活動の会場で渋谷の女と知り合い、家に出入りするようになった」(A子の父)
その約2年前に両親は離婚し、家庭内に吹き荒れた隙間風を埋めたのが渋谷の存在だった。それ以降、長らく娘との音信は途絶えてしまう。
「お母さんが亡くなった」
2020年11月、父はA子からの久片ぶりの電話で前妻の死を知る。
「9歳離れたA子の姉が喪主を務めたが、A子は葬儀にも来なかった。遺残相続は弁護士を入れて散々話し合った。相続人は娘二人。A子には数千万円の現金が渡った」(A子の父)
弁護士が取得した戸籍を目にした姉たちは驚いたという。養子縁組などを繰り返し、かなり戸籍が複雑化していたというのです」(A子の父)
渋谷は不動産と養子縁組で、女性たちをがんじがらめにした。
83歳になるA子の父は、愛娘A子の名を何度も口にし、声を震わせた。「娘は二十代の青春時代を全てあの男に奪われてしまった。もう普通に連絡を取ることすらできない。はらわたが煮えくり返る思いです。」
まるで、統一教会の事件を思い起こされるような事態になっている。
● ここは居心地が良いね
今回の事件で渋谷といっしょに逮捕された元妻の渋谷千秋。2006年の事件の時から渋谷の”最側近”として重要な役割を果たしてきたという。

彼女は招き入れた女性が渋谷との関係を拒むとこう助言をしていたという。「私も過去に色々あったけど、この人に助けられたの」
1979年に千秋は千葉県内で生まれた。
「千秋ちゃんは長女で三歳下の二女、五歳下の三女の三姉妹、専業主婦のお母さんは教育熱心で、子供たちにピアノを習わせていましたね。活発な子で、妹たちを引っ張って学校に連れて行く姿が目に焼き付いています。中学時代はバンドに熱中し、友達も多かった」(一家の知人)
一家を悲劇が襲ったのは、1999年11月のこと。末の娘が交通事故で亡くなったのだ。
「事故後、一家はふさぎ込むようになり、見ていられないほどだった。やがて離れた土地に引っ越すと、千秋ちゃんの話は一切聞かれなくなったのです」(一家の知人)
千秋が悲しみの淵で出逢ったのが、占い師を自称する渋谷だった。やがて三歳下の妹を招き、姉妹は渋谷との共同生活をスタートさせる。2003年12月5日に、千秋は9番目の妻として渋谷との婚姻関係を結んだ。
しかし、わずか10日間で籍を抜いたがが、「渋谷姓」を与えられ、一回目の逮捕後も献身的に渋谷を支え続けた。
「ここは居心地が良いね」千秋と妹は周囲にそう語っていたという。
千秋は、2012年に渋谷から与えられた不動産の半分を妹に贈与している。一方で、肉親との関係を遮断したという。
● “相互扶助団体”というイメージ
2006年の事件の当時、渋谷の元妻らに、週刊誌の記者が質問を投げかけている。
「お二人は渋谷さんのことは好き?」
「もちろん。嫌だったらいません。さっさと出ていってますよ」
自宅近所の男性はこう語る。
「“ハーレム”と報じられていますが、私たちからすると“相互扶助団体”というイメージです。(渋谷博仁は)もうおじいちゃんですし女性や子供たちを養っていくことなんてできません。その分、女性たちが一生懸命働いて貢いでいるのです。朝8時には自動車や自転車で出勤して、18時に戻ってくるという生活をしています」
女性たちは近所のスーパーや量販店で働いているという。こうした生活がスタートしたのは2003年ごろ。渋谷は約1年間で9人の女性たちと結婚・離婚を繰り返し、女性たちに「渋谷姓」と不動産を与えた。04年時点では、8人の女性に8等分ずつ自宅の土地が贈与されていた。
驚くべきことに、そうして“妻”となった女性のうち、財産を放棄して離脱したのは20年間のうちでただ1人だけとのこと。
8人の妻たちは容疑者との生活を続け、12年にもう1人妻が加わって、現在にいたっている。
渋谷博仁にまつわる記事は、内容がかぶるにしてもとてもたくさん出ている。しかし読んでも読んでも「わかった」というような気にならないのが困ったところだ。これは17年前に事件が起きたときにもおなじような感覚だった。今回の事件の逮捕により、またその当時の想いが呼び戻されたかのよう。
参照:週刊文春 最新号
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