バビロンと言うと、とっても豪華なイメージを語感から持ってしまうのはなぜなんだろう?
その言葉のイメージそのままに、デイミアン・チャゼル監督の「バビロン」はとっても華やかで綺麗でグロテスクでエロにもあふれ、最後は哀愁で終わる心にピタッと張り付いてくる映画だ。
サイレント映画からトーキー映画に業界が変わり、その時代に踊らされる1920年代のハリウッド黄金時代を舞台に描いている。
この映画は賛否両論に分かれているようだ。ときたま、強烈な映像が入っていて、受け入れられない人がいるのはしょうがないのか。
第95回アカデミー賞では、作曲賞と美術賞と衣装デザイン賞にノミネートされているけど、ストリーだってわくわくする部分があり、物語がしょぼいわけではない。
ぼくはとっても楽しく面白く、見ることができた。
頭に焼き付いてしまった映像が何個かある。冒頭のシーンで象の下痢便をドナドバ浴びてしまう場面や、風船玉のように太った男が女性におしっこかけられて喜んでいるシーン。
そして田舎からやってきて野生児の売り込みで、いきなり映画界に躍り出た女性マーゴット・ロビー演じる新進女優ネリーは強烈だ。
お上品な連中の小馬鹿にした態度に腹を立て、ケーキやフルーツを含むデザートをやけくそ食いした後の吐しゃ物を目の前の男に噴射する。
そして彼女がへびに噛まれてヘビに巻きつかれてしまった時の、みんな尻込みして腰が引いているなかで、一人彼女を救うためにナイフを手に持ち向かって行った女性の特別なシーン。
人によっては、ドン引きしかけないかもしれなし、こうやって、並べると『ろくでもないゲテモノ映画』に聞こえてしまうかも・・・・・・。
でも、その下品さと画面から感じるパワフルなエネルギーと、黒人のトランペットを始めとするジャズ音楽やダンス。まあ、にぎやかで、にぎやか過ぎて楽しく哀しい映画だった。
デイミアン・チャゼル監督が、『バビロン』のアイデアを思いついたのは15年前とのこと。「間違いなくハードルの高い作品でした。ただ集大成というより、僕にとってこれからの監督人生を前に進める作品になったと言えそうです。」
とのことで、次回作がまた楽しみになってきた。
