父親が連続殺人鬼ではないかと疑う16歳の少年の苦悩と、父親の秘密を明らかにしようと行動することを描いた映画があった。「クローブヒッチ・キラー」というタイトルで2018年に制作された。

その映画はフィクションだが、内容には三つの疑問が残ることをブログに書いた。しかしその映画の内容より、さらに悲惨な告白のニュースが入ってきた。

● 殺されると思ったのだ。口封じのため
現在53歳のルーシー・ステュディーは、子どものときからおびただしい数の若い男女の遺体を埋める手伝いを父親からさせられてきた。



父親のドナルド・ディーン・ステュディーは雪のない季節には手押し車で、冬にはソリで遺体を運んだという。多くの遺体は深さ30メートルほどの井戸に投げ捨てたが、未舗装の道の横に穴を掘って埋めることもあった。
「父はただ『井戸に行くぞ』と言うだけだった。でも、それが何を意味するか私には分かっていた」

その時に彼女は思った。
「井戸に行くか山に入るたびに、帰ってこられないかもしれないと覚悟した。父に殺されると思ったのだ。口封じのために......」

これは、父親が連続殺人の犯人かもしれないという恐怖を通り越して、父親から自分が殺されるかもしれないという日々の不安とも戦っている状態だ。

その父親は2013年に75歳で亡くなっている。30年間にわたって50~70人の男女を殺したという娘の証言が事実なら、人知れず世を去ったこの男はアメリカの犯罪史上で最悪級の連続殺人犯ということになる。

娘のステュディーは何年もの間、学校の教師や聖職者、あちこちの警察や保安事務所に父親が殺人をしていることを伝えていたという。過酷な生育環境と、遺体遺棄を手伝わされたことによるトラウマは、真実が語られない限り消えることはないと、彼女は言う。事件があったとされる当時、彼女はまだ10歳前後だった。

「誰も私の言うことに耳を傾けてくれなかった。先生からは、家族の問題は家族で対処すべきだと言われ、警察からは子供の記憶は当てにならないと言われた。私はまだ子供だったけれど、何もかも覚えているのに」

「父は生きている間ずっと、犯罪者で殺人者だった」と、ステュディーは言う。

ドナルドはいくつもの偽名を使い、ドラッグや銃の売買を行っていた。「商品」を木のうろに隠し、州境を越えてそれを運んだ。

ステュディーによれば、ドナルドは2度結婚したが、いずれの妻とも死別した。ドナルド自身が自殺を図ったことも少なくとも2回あるという。警察の記録によれば、妻の1人はひもで首をくくって死に、もう1人は自分で頭を撃ったという。さらにもう1人、交際相手がいたが、この女性は自然死だった。

● 父親に関する告発は事実無根
ステュディーが話していた場所を探知犬で確認してみると、2頭とも、遺体を遺棄したと話した場所に一目散に走って行った。1頭の犬は遺体の在りかを知らせるようにほえ、もう1頭は遺体があるとおぼしき場所にじっととどまった。犬たちは遺体の存在を嗅ぎつけたようだと、訓練士のピーターズは話した。

「だが確認するには掘って調べないと......犬の様子から可能性は高いと思うが、断定はできない」

すぐに調てみるべきだと思うが、記事を読むと行動に移さず、保留になっていると思われる。その理由をこのように述べている。

掘って調べるには多くの費用と時間がかかる。ドナルドが所有していた土地は2ヘクタールほどだが、隣接する山や農地は170ヘクタールにも及ぶからだ。

フリーモント郡保安官事務所の年間予算は180万ドル。井戸を掘り返すには2万5000ドルかかり、完全な捜索には30万ドル以上かかると見積もっている。それでも「必要なら無理をしてでもやるつもりだ」と、フリーモント郡保安官のイストロープは意気込んでいるとのこと。


だが姉のスーザン・ステュディーは、父親に関する告発は事実無根だと思うと語っている。
「ルーシーから遺体の話を聞いたのは、1年ほど前が初めてだ」と、スーザンは言う。

「父はルーシーが言うような人ではなかった。厳格だったが子供たちを愛していた。厳格だからといって連続殺人犯になるわけではない。私はルーシーよりも2歳年上だから、父が連続殺人犯なら分かったはずだ。父はそんな人間ではなかった。父の名誉を取り戻したい」

ドナルドには娘がもう1人いたはずだが、連絡を取れなかった。息子もいたが、39歳のとき自殺している。父が犯罪者である告発をしたルーシー・ステュディーは嘘発見器の検査を受けてもいいと何度も申し出たと言い、FBIとフリーモント郡保安官事務所で正式な証言を残している。

一方、姉のスーザンは自分の記憶にある限り、父親が暴力を振るったのは、飼い犬が隣人にひかれて、その隣人と争ったときだけだと言う。

この子供による異なる父親の連続殺人の告発が、いったいどのような展開に至るのか、注目していきたい一番の事件となった。

参照:父親は「連続殺人鬼」 誰も耳を貸さなかった子供の訴え…その驚愕の真相に迫る(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

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