
「ライフスペース」という団体の名称と創始者の高橋弘二の写真を見ると、懐かしさがわいてくる。でも、細かな事件の内容は今では忘れてしまい、ほとんど白紙状態になってしまった。
日刊ゲンダイDIGITALが、「ライフスペース」が今どうなっているのかという切り口で藤倉善郎氏の記事を掲載している。
高橋弘二はインドのサイババの弟子を勝手に名乗り、病人の頭部を手で軽く叩いてエネルギーを注入する“シャクティパット”で病気を治せると吹聴していた。また参加費500万円で「シャクティパット」を実施していた。
勝手に弟子を名乗られてサイババにとってはいい迷惑であったことだろう。高橋は、直接サイババの教えを受けているわけではないと批判されている。これに対して、高橋は、「過去世においてサイババから学んだ」「過去数千年間サイババの弟子」だったと語っている。
また、頭を叩いて病気が直せるなら、これは世界的な大発見になるが、そのあきらかなインチキくささを貫き通すずうずうしさがすごい。
高橋の「シャクティパット」を信じた男が、高齢の家族を病院から連れ出し、成田市のホテルで高橋によるこの治療法を試みた。連れ出された家族はそのまま死亡したが、高橋はこの家族はまだ生きていると主張し、男をはじめとした周囲もこれを信じた。
1999年11月11日、ホテルから「4ヶ月以上も宿泊している不審な客がいる」と通報を受けた成田警察署署員が、ホテルの部屋を捜索してミイラ化した遺体を発見した。
このミイラ化した男性に関して、高橋が記者会見で「定説」として「(被害者は)司法解剖されるまで生きていた」などと主張したことから、ワイドショーなどで大きく報道された。
ミイラ事件では高橋を含め11人が逮捕。学校に通わせてもらえず共同生活をしていた児童9人を、児童相談所が保護した。後に高橋は殺人罪で懲役7年の実刑判決が確定した。
2009年に高橋が出所した。
出所時点で70歳だった高橋は公の場に姿を見せることはなく、その後の活動は妻の伸子や実質ナンバー2の釣部人裕(つりべ ひとひろ) が仕切っていたとみられている。
ライフスペースは宗教と関係ない団体で、もともとは参加費数十万円の自己啓発セミナーを開催していた。バブル崩壊後に経営が傾き、高橋が教祖化。病気直しや予言の能力を持つグル(宗教指導者)を自称し、セミナーで数百万円もの料金を取るようになった。95年には高温の風呂に入る修行で学生信者が死亡する事件も起きている。
2011年12月、ライフスペース関係者は「千葉成田ミイラ事件(1)の再審支援の会」を発足させ、再審請求へ向けた活動(毎週都内で、シンポジウム&ライブの夕べを開催)をしている。
2012年1月、「千葉成田ミイラ事件(1)の再審支援の会」は、本件事件のきっかけを「弁護士・紀藤正樹の発言やリークにより作り出された」と主張して懲戒請求を申し立てたが、却下された。
統一教会の件だけではなく、「ライフスペース」の件でも紀藤正樹弁護士が活躍したようだ。
2015年12月に高橋が死去すると「再審支援の会」の活動は止まり、ライフスペースは実質的な休眠状態になった。
妻の伸子は17年に「一般社団法人NEOビジョンアカデミー」を設立。信者とともにヨガ教室や瞑想セミナーを開催するようになる。
釣部は18年に「豊島区倫理法人会」の会長に就任。同会のウェブサイトには伸子ら複数のライフスペースの信者たちが会員として掲載され、伸子のヨガ教室も紹介された。
参照:成田でミイラ事件を起こした「ライフスペース」の今…