マーティン・ヤブロンスキー監督のドイツ映画「快楽の悪の華」は、奥さんに隠して男娼をしているハンサムな元弁護士のお話。
この作品の前に、頭が爆発するというショッキングなシーンが有名なクローネンバーグ監督の「スキャナーズ」を見ていたのだけど、途中であまり気のりしなくなって、こちらへ変更。タイトルの「快楽の悪の華」がそもそも意味深で見たいと思わせてくれる。
高級男娼の実態を描いたエロティックな作品かな?と思っていたが意外にそこはあっさり。むしろサスペンスに力を入れている。
大手事務所に勤めていた元エリート弁護士のダーヴィトは、妻と息子の三人暮らし。実は彼の裏の顔は、リオンという名の女性たちのどんな性的欲求をも叶える高級男娼。会社をクビになったことを妻に言えず、何か月もの間、二重生活をしていた。
ある時、いつものように待ち合わせの店で中年の女性に声をかけると、怪訝な顔をされる。そして、女性には男の連れが現れ、彼は勘違いにようやく気がつく。彼に新たに声をかけてきたのは、キムという男性。
ダーヴィトは速攻で同性愛の気はないと断るが、キムに提示された金額を見て心が揺れ、いったん承諾してしまう。ところがダーヴィトは、やはり男性と性行為に及ぶことはできなかった。
ダーヴィトを誘った男・キムとの会話で、彼の奥さんが大物議員をしている事を知る。ダーヴィトは、キムと二人で抱き合っている写真は確保できているので、その写真を利用して議員の奥さんを、ゆすることを計画する。
物語の吸引力が、ぼくの中では「スキャナーズ」よりも強くて、『いったいダーヴィトの綱渡りのような人生はどうなっていくのだろう?』と、最後まであきずにみることができた。こうゆうドラマだと、暴力を使って追い詰める肉体系の男に、ヤワな男娼が逃げて怯えるパターンに展開しがち。しかし、当映画は元弁護士の強みなのか色々策を考えて、すぐには降伏せずに健闘するのが面白い。
この映画は、低評価しているひとが多くて、星5つのうち1個とかあったりする。それは100点満点の20点になってしまう。そこまでレベルの低いドラマには思えなかった。主人公のダーヴィトを演じたトーベン・カストゥンスも、ハンサムで適役だったし、彼が演じる別の作品も観たいと思ったが、検索してもこの映画くらいしかでてこないのが不思議。
