園子温監督の映画は、何作か好きな映画もあって、一番印象深いのは2009年の「愛のむきだし」。2013年の「地獄でなぜ悪い」も、めちゃくちゃな暴力と血の映画なのになぜか不思議な魅力に満ちていて、その独特な才能にしびれたものだ。
また、自伝的な本も書いていて、こちらも相当に面白い。だから、今回のセクハラ・性行為強要告発のニュースというのは、正直あまり怒る気にもなれないどこか冷めた気持ちになるのは困ったものだ。
「週刊女性PRIME」で、園子温は「主演女優にはだいたい手を出した」と豪語していたとのこと。
「女はみんな仕事が欲しいから、オレに寄ってくる」
「(ある女優は)オレのおかげで売れた」
とまで、言っているとのこと。
だから今回のニュースに関して驚く関係者があまりいないと言われている。
そのわりには、世間は驚いたようでランキングに入ったネットニュースに園子温の名前が挙がっている。
「性的な描写のある作品を撮ることも多かったため、インタビューでも堂々と『映画と女なら女の方が大事!』と言い放っていた。厳格な家庭で育った反動で『女が大好きになった』という話もしていました。常々女性への過激な発言が多く、当たり前になっていたので、周囲に注意する者もいなかった」(製作会社スタッフ)
出演予定の女優を事務所やホテルに呼び出したり、飲み会やワークショップの打ち上げなどで〝男女の関係〟を迫っていたという。
ある女優がこう明かす。
「そういう時、むちゃくちゃな持論を展開するんです。例えば『1人や2人しか男を知らない人生じゃダメだ! あまたの男を味わわないと、お前は女優として大成しない!』とか。泥酔していることも多いのですが…」
告発した人は、色々な事情があって、監督が『男女の関係』を迫ってきた事に従わざる得ない状況であったというのは、わからないでもないが、女性であれ男性であれ、きちんと『いやな要求は拒否できる覚悟も持ってほしい』と、いうのはひどい言い方になってしまうのか?
まあ、この件について書いていくと、世間的に受け入られがたい感想になってしまいそうなので、このへんにしとこう。
女優の吉高由里子(33)が「はぁ…なんかそんな件で名前を聞きたくなかった方々が…よくない。優越ある地位を利用して夢に向かう姿を欺くなんて。本当に残念」と、ツイート。吉高は、園監督の2006年の映画「紀子の食卓」で芸能界デビューを果たしている。
ぼくは、園子温にはセクハラのニュースより、またしびれる傑作映画を撮ってほしいと願う・・・それだけだ。傑作映画についてのニュースで、『園子温』の名を再び見たいと思う。
参照:誰も驚かなかった園子温監督の性加害報道
吉高由里子「そんな件で名前を聞きたくなかった」
