「ヘッドハンター」2012年 ノルウェー・ドイツ合作 原題:Hodejegerne
 

モルテン・ティルドゥム監督の「ヘッドハンター」は、主人公・ロジャーの語りから始まるオープニングがひきつける。

ロジャーは背が低いことがコンプレックス。自分の愛する美人で自分より背の高い妻から逃げられないように、彼女に大金を与えていることを語る。彼女の後姿のヌードシーンが入っているが、とてもスタイルがいい。見ている側に、ロジャーの輪郭がぼんやり定まったところで、物語にはいっていく。

ロジャーはヘッドハンターという職業。会社のおえらさん方に、即戦力となる超優秀な人物を紹介する。これを公にしているが、裏では留守を狙って高価な絵画を複製と取り換える強盗を行っている。それで裕福な生活を送っている。

妻の紹介で、ロジャーは大手GPSの会社の社員で元軍人のエリートであるクラス・グレブという人物と知り合う。クラスは失業中なので、ロジャーは彼にヘッドハンティングすると近づく。実はクラスの持つ高価な絵画を彼の留守中に盗もうと計画している。彼の邸宅で絵画は手にいれたものの、ベットで彼と妻の浮気の証拠に気付いてしまう。

それで、クラスに会社を紹介すると言いながら、反感を持ったロジャーはちょっとした意地悪をするのだが、それがクラスの怒りを買って、恐怖の仕返しに合う。凶暴な犬とクラスに追いかけられ、主人公はひたすら逃げまくる。

この映画では、田舎に逃げた主人公が、ついには汲み取り式の便所にまで追いつめられる。隠れるのは、肥溜めの中しかない。トイレッットペーパーの筒を口にあて、大便の中でその筒だけを浮かせて息をし、うんちの中に身を隠すというシーン!。これがなかなかばっちくて臭そうで強烈だった。

それで、そこから抜け出した後に、身体を洗う間もなくうんちまみれのまま、また走って逃げる。それで逃げて逃げて、ついでに車にはねられて、体は吹っ飛び地面に転がる。発見者はロジャーに「大丈夫か?」と、駆け寄るが「くっせー」と鼻をつまむ事態に。

思えば、犬にかまれ、髪の毛にGPSを仕掛けられたとスキンヘッドになり、逃げてる途中でかつての不倫相手に包丁で背中をグサリとやられ・・・・・・とにかくボロボロのうんちまみれの血だらけの頭つるつるになってゆく強烈な負の運命の物語。

でも、ただただ慌ただしいだけではなく、ドラマとしての意外性もありしみじみとした愛情の場面もありで、とても面白い物語を見たという満足感を得られた。