「これが青春だ」黒沢年男、「青春は俺のものだ!」浜美枝、「青春でつっ走れ!」夏木陽介、「でっかい太陽」十朱幸代、「燃えろ!太陽」酒井和歌子の5本立て。「ハガキ持参のキネ旬愛読者<オールナイト>へご招待します。」
と、言う広告を見て、今すぐ観に行きたい気持ちになってしまっているのだけれど、それは不可能な話。これは昭和60年(1985年)のキネマ旬報1月上旬号に掲載されていた広告。
たまに、古い「キネマ旬報」をぺらぺらめくっていると、思いがけない発見もあったりするので、引っ張り出してはながめている。それで、「おや?」と、驚いた一枚のスチール写真。
タモリが風呂場で裸の愛染恭子の背中を流している。なんの映画かとタイトルを確認すると、「愛染恭子の未亡人下宿」。
男限定の下宿の未亡人ママと、そこで暮らすむさくるしい学生たちのイロ・恋騒動を描く。監督は脚本も兼ねている山本晋也で、今は亡き立川談志やたこ八郎も出ている。所ジョージにモト冬樹、大竹まこと、なぎら健壱と、まあ色々とにぎやかに出ている。
このシリーズは何本も作られている。当時あまりに多くてストリーも似たり寄ったり・・・・、定番のすきやきを食べるシーンもどこかこ汚なくてポルノ映画の中ではあまり好きになれないシリーズだった。
「TUTAYA TV」の見放題にあったので、何十年かぶりにものは試しに観たら、最後まで引っ張られて見てしまった。今まで見た未亡人下宿のシリーズの中でこんなに面白いと思ったのは初めてだ。
なかなか強烈なシーンもあって、他の人も感想にかいていたけど、ライオンスープというのが忘れられない。外を歩きながら歯磨き後にウガイをした水を、人に飲ませて「ライオンスープ!」と、告げる。これ、カメラが止まってないから本当にやっている。笑ってしまうのだけど、飲まされた人は本当に気の毒だ。
愛染恭子は、セリフが棒読みでへたっぴいなのが難だけど、当時、評判を呼んだタレントなので、見ているとなつかしさを呼び起こしてくれる。AVにもよく出ていた人で、今はどうしていることか。
たこ八郎も、ほんのちょっとしか出ないのに、一瞬のシーンで忘れられない不思議な存在感。ボクサーの時のひたすらパンチを繰り出す姿は、実にカッコ良かったのでなおさらタレントになってからのそのギャップが忘れられない。
