「ウエスト・サイド・ストーリー」 2021年 アメリカ

 

1961年に作成された「ウエスト・サイド物語」を、リメイクしたというスティーヴン・スピルバーグ監督の「ウエスト・サイド・ストーリー」。元の映画は見ていないものの、評判がいいので見に行ったのだが、期待が多きすぎたのが災いしたのか、中途半端な気持ちで観終わってしまった。

週刊文春に連載しているエッセー「夜ふけのなわとび」で、林真理子はこのように書いている。
『さてあれほど期待していた映画であるが、私は前作の方がよかったと思う。あまりにもリアルに表現しようとした結果、前作よりも華に欠けるような気がする。』

そして秘書との会話では、出演者の話題に。
『ヒロインのマリアがあんまり綺麗じゃなかったもの。あれじゃダンスパーティーで、一目惚れするシーンに説得力ないかも」

前作の良さを強調する林真理子のエッセーを読むと、参考に前作を観たくなってくる。今回の作品でも、歌もダンスも楽しめたのは確かだから、前作はもっと楽しめるのかもしれない。

あと、ヒロインのレイチェル・ゼグラー演じるマリアが綺麗ではなかったというのは、ちょっと賛成しかねる。ぼくには充分に魅力的に見えた。ちょっとお猿さん顔なのが気になったけど、それも見方によっては愛嬌があって微笑ましい。

いいところはたくさん見つかる映画なのだけど、この作品はヨーロッパ系とプエルトリコ系の移民の若者たちの対立を描いている。その大きな物語を貫く問題が、最後の最後まで何も解決していないところが気になった。「ロミオとジュリエット」をモチーフとしている、悲劇の物語なのだからしょうがないともいえるが、気持ちが晴れない結末だった。