「ハウス・オブ・グッチ」 2021年製作 アメリカ 原題:House of Gucci

リドリー・スコット監督の「ハウス・オブ・グッチ」は上映時間が2時間半を越える映画だから、観ながら眠ってしまうのではないかと恐れていたけど、まったくその心配がないくらい面白かった。映画が終わった時に、『もう終わってしまうのか・・・・』と、寂しい気持ちになったくらいだ。

同じファッション業界で「モードの帝王」と呼ばれたイブ・サン=ローランの伝記映画「イヴ・サンローラン」を思いだして比較してしまうが、面白さの点で言えば、「ハウスハウス・オブ・グッチ」のほうがポイントが高い。

「GUCCI(グッチ)」、ブランド名として名前は知っているけれど、女性物のバックとか財布くらいしか思い浮かばず、どんな商品があるかは知らない。但し、”GUCCI”という、”I(アイ)”を覗いて、すべてが曲線的なローマ字なので、ロゴとして見栄えがすると以前から思っていた。グッチへの想いというとそれぐらいしかないのが我ながら淋しいところだ。

レディ・ガガは、グッチの会長を務めていた夫であるマウリツィオ・グッチの殺害をヒットマンに依頼した罪で有罪判決を受けたパトリツィア・レジアニを熱演。

演じたレディ・ガガがとても良かった。歌は癖がありすぎてぼくは好きになれないけど、女優としてのガガは色っぽいし、今後の作品の出演も楽しみな女優になった。「アリー/ スター誕生」(2018)のときよりも今回が適役に思えたし、演技力もパワーアップしているのではないだろうか。

レディー・ガガはこの役作りに3年を費やしたという。

「本当のことを正直に言うわ。1年半、私はパトリツィア・レッジャーニとして生きていた。そして、9カ月間、カメラが回っていない時も彼女のアクセントでしゃべってたの」とイギリス版ヴォーグ誌にガガは話している。

ところで、まだグッチの関係者の方は生存しているだろうし、このような暴露的な映画を作られて、訴訟が起きたりしないのだろうか?と、余計な心配をしてしまう。

実はレディガガが演じた現在70代のパトリツィア本人は、制作者のことをよく思っていないという。

「(製作者たちは)金稼ぎのため、ハリウッドというシステムの収入を増やすために家族のアイデンティティを盗んだ。私たちの家族にはアイデンティティとプライバシーがある。私たちに話せないことはないが越えられない一線がある」。
パトリツィアはリドリー・スコットの妻で女優でもあるジャンニア・ファシオに映画について話をしたいと連絡をとったが返事はなかったという。

パトリツィアは「レディー・ガガがリドリー・スコット監督の新作映画で私を演じることについては、むしろ腹立たしいと思っています。私に会いに来くるという配慮や気遣いもなしに」と、伊ANSA通信にガガの愚痴をこぼしていた。

しかし、撮影前にパトリツィアに会いに行かなかったのには、ガガなりの理由があった。

「この女性はこの殺人を美化されたがっていて、犯罪者として記憶されたがっているとすぐに分かったから、彼女に会いたくなかったのです。私は信じていないものと共謀したくなかった。彼女は夫を殺させたんです」と米『Good Morning America』で語った。

パトリツィアは約18 年の刑期を経て2016 年に出所している。

参照:レディー・ガガ、35歳のありのままのヌードを披露!