1月15日に東大の医学部を目指している高校2年生の男子が犯した犯罪。
「来年、東大を受ける」
そう叫びながら17歳の少年は受験生を含む男女3人を次々とナイフで刺していったという。

宣言するかのように叫んだ内容の次に起こした行動が、宣言の内容を全否定する行動なのだから、かなり精神的に追い詰められていることがわかる。
東大の医学部に入ることが目標で、将来はアフリカに行って医師として働く事を夢見ていたようだ。
事件の動機に関しては、「成績が振るわず、医者になれないなら人を殺して切腹しようと思った」と語っているという。
この17歳の少年の事は、知るほどに勉強に追い詰められたことが、伝わってくる。
● ひとりごとを言いながら勉強
少年は中学校に入学した当初から、異常なほどに勉強に熱を入れるようになった。中学校の卒業文集に寄せた作文には、以下のように綴られていたという。
〈三年間の中学校生活で、行事や部活動、その他色々なことを経験しましたが、やはり「勉強」というものが一番長く経験したものでもあり、自分をときに苦めたものであり、助けてくれたものでもありました〉(原文ママ)
そんな少年の勉強に対する熱の入れ方に母親は困惑を隠せなかったという。ママ友の一人が明かす。
「両親は子どもの進学先にこだわりがないのに、彼は中学3年の頃から“絶対に東大に行きたい”“理IIIに合格したい”と口にするようになったそうです。お母さんは彼を応援しつつも“行きたいと言って行ける学校でもないと思いますけど……”とむしろ困惑した様子でした。深夜までブツブツとひとりごとを言いながら勉強し続けていたそうで、いつか体調を崩すんじゃないかと心配していました」
猛勉強の末、県下随一の進学校である東海高校に進学した少年。同校では2年生と3年生に進級するタイミングで、成績別にA群とB群にわかられるが、少年は成績上位者が集まる理系A群に入っていたという。
そんな少年の勉強面での件に関して、こう語る。
「彼の成績は、1年生の頃は全体(1学年が約400人)で60位くらいだったと思います。ただ、2年生になってから100番台まで落ち込んでしまった。今月下旬に始まる実力考査の結果次第ではB群に落ちることも考えられた。普段から照れることなく“東大理IIIに入る”と話していた彼にとってはこたえたのかもしれません。最近は昼休みも弁当を食べながら勉強していましたからね……」
● 私立大学に入った時の絶望感
田中萌アナウンサーが、東大に少年がこだわる背景に関してこのように述べた。

「周りの大人から見れば“東大以外の大学を受ければいいじゃん”と思うかもしれないがそういうことを考えられないくらいに追い詰められているケースもあると思う。あるいは、“まだ17歳なのに、なぜ絶望したのか”という意見もあるかもしれないが、17歳だからこそ絶望することもあると感じる」とコメント。
「私も“進学校”と呼ばれる高校に通っていたが、“東大、東北大、国公立大の医学部に行かないのはうちの生徒じゃない”みたいな環境で、普段会話する大人も先生くらいという狭い世界だった。だから先輩方が行ったルート以外は成功じゃないと思っていたし、そこから外れそうになった時の恐怖は非常に大きかった。
実際、1浪して私立大学に入った時の私の絶望感、“私の人生終わったな”という感じには結構すさまじいものがあった。私くらいの年齢になれば、何かがあったとしても、“こうやって解決していけばいいな”というのが分かるようになる。でも10代の頃はそうではなかったと思う。当時はその先にはいろんな選択肢があって、職業があって、生き方があって、ということが分からなかった」
この発言は、どこか上から目線のようなニュアンスがあり、1郎してはいった私立大学が明治大学であることから、「明治大学ディスってんのコレ」「馬鹿にしてんのか、この女」「何がいいたいんだ。高学歴の明治で終わりなら高卒を馬鹿にしてるのか。最悪だなこの女。」と、さんざん5チャンネルでも反感を持たれている。
しかし、彼女なりに東大だけを第一として目指した高校時代の自分が考えていたことを、正直に言葉に出したら、このような表現になったということなのか。
● 『蛍の光』を歌う人がいるの
今回の事件を聞いたときに、ある本が浮かんだ。「いいエリート、わるいエリート」という東大を首席で卒業し、東大法学部在学中に司法試験と国家公務員1種に合格した山口真由さんの書いた本がある。それを読むと、東大に入りそこで首席になるということが、どれだけ勉強にうちこまなければならないかがわかり、興味深い。
まず、1日の勉強時間は中学生の時の4時間から始まり、高校生の時は5時間、大学受験が近づいた時は10時間、東京大学法学部に合格して、三年生の時の司法試験を受ける前は14時間、年を重ねるにつれ、勉強する時間をどんどん増やしていたったという。
司法試験の口述試験前の二週間の勉強時間は、毎日19時間半。睡眠時間に3時間、食事は一食に20分ずつ。入浴も20分。息抜きは実家の母と話す十分間だけでそれ以外は全て勉強。ちょっと油断すると眠りに落ちるのでバケツに氷水をはり、その中に足を入れて睡魔と戦った。
19時間半の勉強の生活を始めて何日か経った頃に幻聴を聴いたという。
「お母さん、窓の外で誰かが私の勉強のじゃまをするのよ。私、こんなにも勉強をしているのに、『蛍の光』を歌う人がいるの。うるさくて気が狂いそう」そう訴えた。
「真由、何も聞こえないわよ。あなたが聴いているのは幻聴よ。勉強し過ぎて、実際には鳴っていない音が聴こえるの。勉強は大切だけれど、頑張りすぎには気をつけなさい。病気になるわよ」
山口さんは母に諭され、驚き困惑したものの、同時に奇妙な喜びを感じていたという。つまり脳にトラブルが起こるほどに自分を追い詰めて勉強していることに我ながら誇りを覚えたという。
ぼくからすると既に『誇りを覚えている』時点でどこか精神的におかしくなっている印象だ。
17歳の少年も彼女の味わった異常な状態と同じとは言えないだろうけど、自分で自分を勉強で追い込むあまりに、壊れてしまったのだろうか。
参照:テレ朝・田中萌アナ 一浪明大で〝人生終わった〟発言が賛否「リアル」「失礼」
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