『車いすでの生活』ということが、選挙当選の為の一つの切り札として使われているのでは?
というような疑問を起こさせる動画が上がった。問題の人物は市議の長谷基弘氏(63)。いま、兵庫県芦屋市議会が紛糾しているとの事。
彼は高校3年生に時に「ネフローゼ症候補」という病気にかかり、ステロイドホルモン剤を大量に投与。その副作用で突然足の自由が奪われてしまったという。
● すたすたと歩いてきたんです
動画では、足をややひきずってはいるが、普通に自販機で飲み物を購入する姿が撮影されている。

この動画に関して、本人曰く
「……あー、装具している状態やね。これくらいやったら歩けますけど、何十メートルとか歩くのは、ちょっと無理。……日本の障がい者の方で、装具をしながら歩く方はたくさんいらっしゃいますね。それを以て、立って歩いていると言われるのはものすごい心外ですね。
私は手術を6回しています。車いすの人って全員が立てないと思われるのが、びっくりします。それは全くの間違いで、ちょっと歩ける努力をしている人もおるし、装具をちょっとつければ歩くことが可能という時もある。それは、状況は色々ですもん」
「その動画は相当古いもん、違うんかな、と思うんですよね。随分前の話やろうなって思うんですけど。多分、そばにすぐ掴めるものがあると私が分かっているか、松葉づえを忘れたかの、どっちかやと思いますわ。撮影しているのがいつ頃かちょっとわからへんけど、いつか分かれば、どんな薬を飲んでたかもわかります。でも、あの服着ていることを考えると、だいぶ昔のことちゃうかなと思いますけど。
今の状態では、あんなに歩くのは無理です。Youtubeも、撮影中にコケてますからね。ここまでひどくなったのは選挙が終わった頃やから3年ぐらい前かな。長距離が無理なんでね。私は車いすなくして生活できない人間で、パフォーマンスで車いす使っているというのは大馬鹿ものですよ。本当腹立ちますよ」
問題の動画を撮影をしたというA氏に取材をすることができ、彼の話を聞くと「動画の撮影日は2021年11月10日」。「場所は西宮市」「通りかかったら、長谷市議の愛車を見つけたため『もしかしたら歩くのでは』と動画を回した」とのことだった。
本人が言うように相当ふるいものではないことがわかる。念のため、動画内の長谷市議の傍を走り去るバイクのナンバーから、車両の登録日を照合したところ、令和2年9月3日と判明した。少なくとも動画は、直近1年ほどの長谷氏の姿を映したもので、動画のような歩行ができたという「7~8年前」の動画ではないことが確認できている。
騒動のきっかけとなったのは、5月の市議会。公明党の徳田直彦市議が、長谷市議について「歩けるのを見た」と語った。
《私は、長谷議員が保健福祉センターで公式行事が終わった後に、乗っていた車いすを御自分で立って、自分のプリウスの後ろのトランクルームに畳んで入れるところも現認しましたし、ほかに幾たびかそういった立って歩いているというところも現認しております》
(5月31日の市議会議事録)
長谷市議は、この徳田市議の発言に対し「差別発言だ」と遺憾の意を表明。芦屋警察署に名誉毀損容疑で刑事告訴に踏み切った。
長谷市議が歩く姿は、特に選挙区外である芦屋市外で頻繁に目撃されているという。長谷市議を知る市議会関係者が話す。
「2019年1月のことでした。神戸市灘区のファミリーレストランを利用した際、レジで会計をしていると、向こうから長谷さんがすたすたと歩いてきたんです。隣には女性がいましたが、寄りかかったり、肩を借りたりする様子はありませんでした。当時長谷さんは、すでに移動は全て車いすで、ほとんど歩けないと聞いていたので本当に驚いて……。その場で知人に『長谷さん歩けるの!?』と電話した覚えがあります」
● 贈収賄で業者と共に逮捕
そもそも車いすの生活になったのが、落選の後、ということも注目されている。
「実は、長谷さんが車いすに乗り始めたのは、手痛い落選を味わった直後なんですよ。昔使っていたステロイド剤の副作用で足が動かなくなったと言っていますが、タイミングが良すぎるといいますか……。
落選の原因となったのは、兵庫県警が2001年に摘発した、阪神大震災で被災した市立小学校の校舎建て替えに伴う解体工事の談合事件。当時、芦屋市の助役が3業者から計250万円の賄賂を受け取り、贈収賄で業者と共に逮捕されました。長谷市議は『事件で私への金銭供与は一切ない』と否定しましたが、助役と業者と3人でサイパン旅行に出かけるなど、仲介したのではと関与が疑われていました」


長谷基弘氏自身が出している動画を見ると、車に乗り込むときも愛車に掴まって足をひきずり、車の屋根を掴みながら移動して、1mも歩けないように見えるという指摘もある。
この歩けないという誇張表現をつかって議員活動をしていたり、身体障碍者のレベルを偽っている(可能性がある)ことが問題。
また、ステロイドでの後遺症と言う件に関しては以下の記事に対するコメントもあがっている。
「ネフローゼ症候群って血中のたんぱく質が
尿の中に漏れてしまう病気であって、
この症状もステロイド剤も
歩行困難とはなんの関係もない病気だよね。
仮にステロイド剤で歩行が困難になるとすれば
骨壊死が考えられるかもしれないけど、もしそうなら
こんな事やってられる状況じゃないだろうし。」
実は歩けるという驚きは映画ではけっこう使われている手法だ。また、耳が聞こえない作曲家という売りで世に出ていた佐村河内 守(さむらごうち まもる)のことも思いだした。彼のゴーストライターを務めた作曲家の新垣隆が、「佐村河内は18年間全ろうであると嘘をつき続けていた」と『週刊文春』に暴露し、世間が大騒ぎになった事件だった。
長谷基弘氏が実際に、障害者を売りにして政治活動を続けている人物だとしたら、まさにドラマを地でいく詐欺師的生きざまと言える。
参照:「歩けるのは公然の秘密や」芦屋市議会で“車いす市議”を巡る“実は歩ける疑惑”が紛糾
