私の頭の中の消しゴムは、韓国映画の名作の一本。とてもいい映画でものすごく泣けた映画として記憶に残っている。
出演していた主人公の女性も良かったが、男優チョン・ウソンがなんともいい味を出していた。
その映画でお母さん役を演じたキム・ブソンという女優が韓国の大統領候補のイ・ジェミョン氏を訴えているという。韓国の大統領選は、来年3月に行われる。
キム・ブソンの訴えの内容とは何か。
● 精神疾患の患者に仕立て上げました
彼女は2007年から約1年間、イ・ジェミョン大統領候補と恋人関係だったと主張してきた。
イ氏がこれを否定し、キム・ブソンを虚言癖と麻薬常習服用者という趣旨で非難すると、キム・ブソンは精神的・経済的な損害を被ったとし、イ候補を相手に3億ウォン(約3000万円)の損害賠償請求訴訟を提起した。

キム・ブソンは、具体的にはいわないけれど、以下の内容のことを2018年夏にコメントしている。
『誰が私に真実を糊塗するために工作をしたのか、どんな悪口とどんな脅迫をイ・ジェミョン氏が私にしたのか。また、どのように私を騙し、私の娘と私への名誉毀損、人格を殺害したのか。それにも関わらず生きている私たちとの関係を否定し、私を精神疾患の患者に仕立て上げました。
今、イ・ジェミョン氏が回答する番です。全部あきらめて死んでいく子犬と(共に)生活を終わらせようとしましたが、私の娘イ・ミソとコン・ジヨン作家の良心からの告白を聞いて、生きることにしました。
これから死ぬ覚悟で偽りと戦うつもりです。人間キム・ブソンが、人間イ・ジェミョンを法廷に立たせます。イ・ジェミョンさん、少数の人は長い間だますことができます。多数を一時的に騙すことはできます。しかし、多数を永遠に欺くことはできません。』
具体的には、何があったのか。2020年08月に、以下の告白がニュースになっている。
キム・ブソンは「財閥の男に会って子供を生み、残酷に捨てられた。既婚男性だった。突然、未婚の母になったのだ。想像もできなかったことが現実になったのだ。本能にだけ忠実だった。主演女優から瞬時に転落した」と述べた。
続いて「大丈夫だと感謝した。私は子供を飢えさせず、生きていかなければならない未婚の母だったから。妊娠の知らせを聞いて子供の父親は、責任を取れない、産むなと言った。産むのであれば済州島(チェジュとう)の故郷に行って産み、船乗りになるなり、海女になるなりして、私に責任はないと言った。青天の霹靂だった。子供の父親は、そうして妊娠2カ月のときに私から離れた。そうして終わった」と伝えた。
キム・ブソンは「母はショックで毎日、嘔吐と下痢をし、世界で最も恐ろしく愛する私の姉は、走るトラックの中に私を掴んで泣きながら入った。そうやって涙で赤ちゃんを産んだ」と回想した。
キム・ブソンは、『イ・ジェミョン候補のちんちんにほくろがある位置を私は知っているので、交際相手だった証拠。不誠実な態度をとった男であることは虚言ではなく真実のこと』との内容の事も言っている。
● 別れ話のもつれから交際女性とその母親を殺害
大統領選予備選挙第2回テレビ討論会で、イ・ジェミョン候補は、「女優スキャンダル」に関する釈明要求に対し、「ズボンを一度下ろしましょうか」と発言をした。彼は亜洲大病院で身体検証を受けた後、医療スタッフから「言及された部位にほくろの跡はない」という判定を受けていた。
そして最近も彼女は、イ・ジェミョン氏の甥は、「かつて別れ話のもつれから交際女性とその母親を殺害し、現在は無期懲役で服役中だ」とも発言し波紋を広げている。裁判で甥の心神喪失を理由にイ氏は減刑を訴えていたが、交際女性と母親には二十数カ所もの刺し傷があるなど現場は凄惨な状況だったという。
韓国の大統領選は、今、二人の候補社が競っていて、同じような支持率とのことだが、このスキャンダルが影響するのではないかと、推測されている。

国民の力の大統領選挙候補ユン・ソクヨル氏が「大統領選挙候補4者支持度」調査で民主党のイ・ジェミョン候補をリードしているのは、その影響の現れかもしれない。
今月16日から18日にかけて、全国の1000人の有権者に対し「もし来年の大統領選挙に次の候補者が出馬するとしたら、誰が大統領になるのが良いと思いますか」と尋ねたところ、ユン・ソクヨル候補と答えた回答者は42%、イ・ジェミョン候補は31%、アン・チョルス候補は7%、シム・サンジョン候補は5%を占めた。
イ・ジェミョン氏は、『韓国のトランプ』と別名が付いたほど歯切れのよい言動と行動力が支持を集めているとの事だが、日本に対しは、敵対視する発想が伺える。
2016年に自身のフェイスブックに『日本は敵性国家だ。軍事大国化した場合、最初の攻撃対象となるのは韓半島(朝鮮半島)だ』と投稿し、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に反対した」などと解説する記事を掲載している。
逆にユン・ソクヨル氏のほうは親日とのことだが、これは本心なのかポーズなのか大統領になってからの行動をみないとわからない。
ユン氏は、「現在の韓日関係は国交正常化以降最悪で、回復不可能なまでに悪化している。外交は実用主義、現実主義に立脚しなければならないが、理念偏向的な『竹槍歌』を訴え、ここまで来てしまった。文政権は政権末期になんとか収拾しようとしているが、うまくいかないようだ……」 「竹槍歌」とは19世紀末に勃発した東学運動を称える民衆歌謡のこと。
発言を単純に比較すると、『大統領選は「反日」vs.「親日」のバトルの始まり』と、言えそうだ。
参照:女優キム・ブソン、イ・ジェミョン知事に対し涙の訴え「死ぬ覚悟で偽りと戦う…これ以上保護しない」
財閥家の男に残酷に捨てられた…『私の頭の中の消しゴム』出演の韓国女優、衝撃の過去を告白
