
2019年9月23日未明、茨城県境町のうっそうと生い茂る林中に佇む民家の二階で、住人の小林光則さん(当時48)と妻の美和さん(同50)が殺害され、子供2人が重軽傷を負った事件が起きた。
県警は5月7日、夫妻に対する殺人容疑で埼玉県三郷市に住む、無職の岡庭由征(おかにわ・よしゆき)容疑者(26)を逮捕した。
週刊文春5月20日号の岡庭由征(おかにわ・よしゆき)容疑者(26)の事件の記事では、彼が中学生の頃から虫などの解体に興味を持ち始め、徐々にエスカレートしていく様子を掲載している。最終には、学校に猫の生首まで持って行ったという・・・・・・その話が強烈だった。
中学時代の同級生の親は「全ての始まりは”セミ殺し”だった」と明かした。
「彼は中学一年のときはテニス部でしたが、六~七月には急に部活に来なくなってしまった。その後はずっと帰宅部でしたが、やがて虫などの解体に興味を持ち始めたのです。夏になると、自宅近くの地面にしゃがみ、何やら熱心に作業をしている。覗き込むと、セミの胴体を叩いて切り離していた。やがて、対象は昆虫、カエル、スズメへとランクアップしていったのです。
「岡庭がネットで女性が殺される動画を見て性的に興奮し、自慰行為を覚えたのは、中学三年の頃。性的な目覚めと共に人を殺傷できるナイフに対する興味を拡げ、収集を始めたのです。当時、父は息子の求めるままに、未成年者が購入薄いすることが禁止されているナイフなどを父名義で買い与えていた」(社会部記者)
中学卒業後、岡庭は千葉商科大学付属校に進学。同級生が振り返る。
「入学当初は影の薄い子でした。ところが高二の頃、彼を有名にする”事件”が起きたのです。」
2011年11月1日、午後の授業が終わり、休み時間になつた直後のこと。椅子から立ち上がった岡庭は教室の後方に歩を進め、鞄からおもむろに大きなジャムの容器を取り出した。蓋を開いた直後、教室中に腐敗臭が漂う。鞄の中には切断された猫の生首が入っていた・・・・・・。
教室は大パニックで、他のクラスにも瞬く間に情報が伝わり、教師が駆けつける事態になった。
岡庭が、なぜそのようなことをするのか意味がわからないが、猫を教室に持って行ったり理由を 「仲間が欲しかった。みんなが喜ぶかと思って」と、語ったという。
その、『みんなが喜ぶ』という発想のズレは大きい。その行為でどれだけみんなに引かれるかということは考えられなかったのか?
彼は、動物に虐待行為をすることで、やがてそれが人間を殺してみたいという事に結び付いていった。
岡庭は16歳のときに、中学三年生の14歳の女子生徒を包丁で刺し、殺人未遂容疑で逮捕された過去を持つ。女子生徒はあごや首を切る重傷を負い、手術が遅れれば死亡に至りかねない状況だったという。
そのときの担当検事の調べに、「(包丁の)血がついているから見ていた。自分の部屋で刃を舐めたり・・・興奮した(自慰行為を)した」「当初は殺害し、首を持ち帰ろうと思った」と答えている。
これを読むと、神戸市で起きた連続殺傷事件の犯人のことを思い出す。その行動の奇異性からネット上では、「第二の酒鬼薔薇聖斗」とも呼ばれているという。動物の虐待からエスカレートしていき、それが快楽殺人に結び付いたことなどがそっくりである。
このような事件の詳細を読むと、今後もこのような快楽殺人事件が増えていくようで、不安な気持ちになる。精神科医の井原祐氏は、現在の少年法の問題点をこのように指摘している。
「医療少年院というのは精神科病院だと思っていただくとわかりやすいでしょう。一般的には、医療少年院というのは意味があります。ですが、ある独特の性癖を持っている少年のような非常に特殊なケースに対しては、そもそも今の精神医学の中に、そういった人たちを治療して、性的傾向を修正するような治療技術自体がないのです。
この点を踏まえ、どうすれば茨城の事件のような悲劇を防げるのか、市民ひとりひとりが考えて、国がルール作りを進めてほしいと思います」
参照:週刊文春 2021年5月20日号
《茨城一家殺傷事件》逮捕された「第二の酒鬼薔薇聖斗」、母親が取材で語っていた息子のこと