4月9日、自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機の事故があった。訓練中にレーダーから消えて無線連絡も途絶えてしまった。
 



事故があったのは、三沢基地所属のF-35A。F-35Aはレーダーで捉えにくいステルス性に優れた最新鋭の「第五世代」戦闘機。一機当たりの調達価格が約116億円もする。多額の税金をつぎ込む次期主力戦闘機だ。戦闘機1機が三沢基地の東、約135キロの太平洋上を飛行していた際のこと。


搭乗していた編隊長の細見彰里(ほそみ・あきのり)3等空佐(41)が「ノック・イット・オフ (Knock it off = 訓練中止)」と無線で伝え、1分後の午後7時27分に機影がレーダーから消えて、無線連絡も途絶えた。墜落した機体は、三菱重工業が組み立てた国内製造初号機。2017年9月に航空自衛隊が受領し、その後、米国で性能確認試験を実施。2018年5月28日に三沢基地に配備された。


山崎幸二統合幕僚長は11日の記者会見で、「地元や国民の皆さまに不安を与えてしまい、深くおわび申し上げる」「全力で捜索に当たっている。事故原因を究明し、再発防止に努める」と述べた。F35は緊急発進(スクランブル)などの実任務に就いておらず、「運用に与える影響はない」と説明した。
 

青森県沖の太平洋上で墜落して、16日ではや1週間を迎える。防衛省によると、9日夜の捜索で左右それぞれの垂直尾翼の一部とみられる浮遊物を発見し、回収した。


依然行方不明となっている操縦士と機体の捜索救難活動に、米軍がU2S高高度偵察機を投入していることが15日までに米軍情報から分かった。核と弾道ミサイル開発を進める北朝鮮の監視など戦略偵察に使っている最高機密機を、それも同盟国とはいえ他国のために動員するのは異例とのこと。


F-35Aは機密性が高く、中国やロシアが機体回収に乗り出すとの懸念が出ているが、なぜ狙われるのだろうか。F-35は、高度な情報収集能力を持つ「空飛ぶセンサー」ともいわれ、その情報をリアルタイムで共有できる「データリンク」を備えている。


航空自衛隊によると、機体は水深約1500メートルに沈んでいる可能性がある。引き揚げは難航が予想され、回収できたとしても、機体の部位によっては保全上、公表されない可能性もある。
 

元防衛相の中谷元衆院議員は9日、BSフジの番組で「世界の安全保障に大きな影響を与える事故だ」と指摘した上で、「世界最高の機密が詰まった戦闘機で、ひとつの断片でも各国が狙っている」と危機感をあらわにした。
 

どこか、内密に事を運ぼうとしているきなくさい匂いを感じてくる今回のこのニュース。真相は本当に正しく伝わるのであろうか?続報に注目していきたい。


参照:最新鋭機と41歳パイロットに何が=「ノック・イット・オフ」

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