「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」2018年 イギリス
喜劇の映画を見に行くこと自体がひさしぶりだった。映画で喜劇は一つのジャンルになっているものの、喜劇は作成されることが他のジャンルに比べてすくないように思える。ふだん、レンタルするDVDも喜劇は本当にまれだ。だからデヴィッド・カー監督の「ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲」を選んだものの、満足できるか否か半信半疑だった。
今回の映画は前作から7年後のシリーズ三作目。
英国の諜報機関がサイバー攻撃を受け、スパイたちの身元が暴露される。この危機に立ち向かうため
に呼び出されたのは、現役を引退していたスパイのジョニー・イングリッシュ。彼は、陰で糸を引くハッカーを見つける任務を開始するが、アナログのスキルの彼には、最先端テクノロジーの方が脅威だった……。ジョニーは世界を救う事が出来るのか?
ぼくは主演のローワン・アトキンソンは『Mr.ビーン(Mr. Bean)』で顔は知っていたものの、テレビで途中から見て内容に乗れなくて辞めた記憶がある。でも今回の映画では、ずいぶん笑わせてもらった。辛いものを食べて、舌を左右にペコペコ動かして苦しんでいる表情などは絶品の面白さだった。DVDになったときにレンタルして、その顔と舌をつかったパフォーマンスをマスターしたいと思ったほどだ。
もうひとつ、若者に交じって彼が自己流の踊りを披露する場面も面白かった。あまりに異質でヘンテコな踊りで、ついつい竹中直人の出演した「Shall we ダンス?」の場面を思い出した。あの名作映画での竹中も何か一つ越えてしまっている飛びぬけた面白さだった。
ぼくは映画(ジョニー・イングリッシュ)を観ながらゲハゲハ、何もかんがえずに笑っていたのだけど、
ぼくの目の前に座った50代~60代くらいのたぶん夫婦と思われる二人は映画上映の間、一度も笑わ
ずに、ただ画面を見つめていただけだった。
笑えないのは、二人にとって映画の後によっぽど気持が沈むでき事が待っているのか?
その二人に聞いてみたい質問があって、「喜劇を見に来て、一度も笑わないのはつらくないですか?」「笑わない、もしくは笑えない理由はなんですか?」と。まあ、余計なお世話なんだろうけど。
ところで、主役を演じたローワン・アトキンソンは実は裕福な家庭に育ち、名門オックスフォード大卒
で数学と物理に長ける理工系の秀才だという。そうゆう人が映画でおもいっきりトボケタ味のある演技
を見せて笑わせてくれるところがまた、面白い。彼は「シンプルな笑いが一番だと思っている。シンプ
ルなコメディは、たくさんの人たちに楽しんでもらえる」と自身の笑いのこだわりに関してかたっている。
メガホンをとったデビッド・カー監督は「間の取り方が天才的。もちろん言葉の壁を越えギャグも得意」
とローワンのセンスに信頼を寄せ、製作のティム・ビーバンは「体を使ったギャグだから、広い年齢層
にファンがいる。よく伸びる顔と体の持ち主で誰にも真似できない笑いを提供する」とローワン独自の笑いの手法を絶賛したという。
今回の作品をきっかけに、ローワン・アトキンソンが出演している過去の作品をぜひ見たいと思っている。
参照:"Mr.ビーン"ローワン・アトキンソンが今明かす「笑いの流儀」とは?
