ぼくは品川の会社に勤めていて、内勤のため一度、会社のビルの中にはいると外に出ないで、9時間ぐらいビルの中にいる。ランチも、会社に弁当屋さんがはいっていて450円でいろんな種類のおかずがはいっているし、それにあきたらビル内の地下の食堂に行けば500~600円程度でラーメンやカレーや定食を食べられる。
でも、さすがに1週間、仕事中はビルの中だけというのは閉塞感があるので週に1回は外食するようにしている。喫茶店とかそばやとか行っていたのが、最近はおいしいのでインドのカレー屋のみになってしまった。1000円するのだが、ナンで食べるカレーはおいしく、少量だけどほのかに甘いデザートもおいしく、そこで調理をしてくれるインド人の元気のいい声を聴いているのもちょっとした気分転換につながっている。
ところで、そんな気分転換ではなく、東洋経済のサイトの記事を読むと、まるで『カレーを食べる為に生まれてきた』ような女性がいることを知った。完全にカレーに恋している状態で、ぼくの理解を超えた感情をカレーに注いでいる。
インスタグラムにカレーの投稿を上げて多くのフォロワーを得る「カレーインスタグラマー」 さと2(サトツー)さんは、多い時は週に10店以上も食べ歩き、月7万から8万円をカレーを食べることに費やしているという。
現在25歳のさと2さんは、システムエンジニアとして働いている。大学では栄養科で学び、管理栄養士の資格を持っている。カレーに目覚めたのは大学3年の冬のことだった。「それまでにも食べることにはすごく執着がありましたが、その食べ物の中の究極体がカレーなんだと、ふと思ってしまったんです。そこからひたすらカレーを食べ歩くようになりました。仕事も、専攻していた管理栄養士の職にはつかず、カレーを目一杯食べられる勤務形態を選びました」
現在、彼女はフルタイムで働きながら、週10店ペースでカレーを食べ歩いている。平日はランチタイムや仕事終わりに訪店し、土日はたいてい東京を離れて遠方に赴いては1日2~3店を訪れる。会社では「カレーちゃん」と呼ばれているとのこと。
これほど、カレーに没頭する原動力を、彼女はこう話す。
「カレーを食べている時は休息時間というか、脳がすごく休まります。私にとってカレーは癒やしやカウンセリングのようなものなんです。カレーがなければ生きていないんじゃないかというくらい、カレーに救われてきました。だからカレーを食べた時に受けた感覚をいつでもまた味わえるように、インスタに保存しているんです。食べた瞬間のおいしさや興奮を、写真と文章でそのまま“ジップ”しているイメージです」
彼女の今後の目標がすごい。
「目標は、カレーになることです。カレーというのは、なんでも知っていて、なんでも生み出せて、粘土のような存在です。こう言っている時点で、自分はカレーになれていません。だから今はいろいろ食べて、カレーとは何かをただ知りたいんです」
企業から『商品をインスタ上で紹介してくれ』というカレーの宣伝に使われることは全て断わっているとのことで、その純粋さもすばらしくさらに、容姿もかわいらしいので、記事を読んでファンになる人も多いのではないか。これからもカレー道を進む「さと2」さんを応援したいものだ。
