「マーターズ」2007年 フランス・カナダ合作
 

最近、ホラー映画をみていないので、何か面白そうなDVDでもレンタルしたいと思い、ネットで 『怖いホラー映画おすすめランキングTOP25』というサイトの記事を参考に読んだ。


そこに紹介されていた順位で13番目の「マーターズ」という映画に興味を持った。「後味悪さがピカイチのおぞましさ」と、書かれていた。
マーターズ(Martyrs)。それは“殉教者”または“犠牲者”を指し、古くは“証人”を意味する言葉。確かに、パスカル・ロジェ監督の「マーターズ」は、見たことを後悔するくらい、心に重いしんどさをお腹いっぱいに与えてくれる。家族で観たり、恋人同士で観るのは絶対にお勧めできない映画。

ぼくも色々な映画を観て来たが、これくらい血だらけ、暴力だらけ、グロだらけの映画もめずらしいと思った。見終わった後で映画の余韻にてグッタリしてしまった。


単なるグロ描写の連続ならば、その描写に飽きてみるのをやめればいいだけだ。なまじストリーがしっかりしてて、死後の世界に興味のあるじいさん・ばあさんの宗教団体のようなものも途中で出てきて、次の展開がけっこう気になってくるから困った映画。見続けることをやめられない。


ところで、ヒロインの一人・リュシーを演じたミレーヌ・ジャンパノイと、彼女の親友アンナを演じたモルジャーナ・アラウィのエピソードが、前田有一氏の超映画批評に掲載されていて、それがこの映画らしくて、忘れられない。


『ヒロインの一人を演じたミレーヌ・ジャンパノイは、そんな監督とえらく揉めたらしい。撮影では手加減なしで何十発も殴られて、翌朝起きられなかったという。どう考えてもやりすぎである。もう一人のアンナ役モルジャーナ・アラウィも、撮影中に骨を3本も折る大事故に遭遇。映画そのものより恐ろしい撮影現場というほかない。』


実はあの映画の中には、実際の暴力で流れ出た血がけっこうまざっていて ・・・・・・。


なんてことを想像してしまうくらい、迫力のある映画で、人に薦めたいような、でも「見た後がしんどいからやめとけば?」と、言いたくもあり、なかなか複雑な気持ちにさせる映画だ。やはりこの映画は特別であることはたしかだ。
 

参照: 【2018年更新】怖いホラー映画おすすめランキングTOP25

    『マーターズ』60点(100点満点中)
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