
レバノンは小国で人口は約600万人。なので、面積はおおよそ岐阜県と同等で、人口は千葉県とおなじくらい。そのレバノンの首都ベイルートで今年10月11日に開催されたマラソン大会のコースに、「私はレイプ加害者に立ち向かう」とのメッセージを掲げた女性らが並び、性犯罪者の取り締まり強化を訴えた。
レバノンでは、加害者よりも被害者が非難されるケースが多く、今回の運動には、こうした認識に変化を促そうという意図も込められていたという。
レバノンでは女性の4人に一人が性的暴行を受けているにもかかわらず、通報されるのはわずか38%にとどまっているという。このような現状に、首都ベイルートで、11日に開催されたマラソン大会のコースに「私はレイプ加害者に立ち向かう」とのメッセージを掲げた女性が並び、性犯罪者の取り締まりの強化を訴えた。
活動家数十人が厳しい表情で海辺のマラソンコース沿いに立ち、「今日、私は走らない。私はレイプ加害者に立ち向かう」「裁かれるべきは加害者だ、被害者ではない」とアラビア語と英語で書かれたスローガンを掲げた。
日本で暮らしていると考えられない暴力的な日常が存在することが、このあまり公にされていない小さな記事から伝わってくる。
そのレバノンでの驚きの事実。
「レイプ加害者が被害者と結婚すれば罪に問われない」
こんな冗談のような法律がレバノンでは刑法522条で定められていたという。
「この刑法522条は、石器時代の産物です。現代人が話し合うにはもう時代遅れです」と、レバノン女性省のジャン・オグサビアン大臣はAFP通信に語った。「レイプされた上に監獄に売られることが、女性にとって適切とは言えません」
男女平等を推進するNGO「ABAAD」のアリア・アワダ氏はAFP通信に、「1カ月は31日あります。毎日、強姦され、レイプ犯との結婚を強制される女性がいるかもしれません」と、語った。
アワダ氏はハフポストUS版が行ったインタビューで、未婚の女性がレイプされ裁判になると、裁判官は家族の名誉を守るため、決まってレイプ犯と結婚するよう少女に和解を働きかけるという。「裁判官、少女の家族、そしてレイプ犯の3者全員が結婚に同意しなければなりません」と、アワダ氏は述べた。
2017年08月17日に、この法律は、中東・北アフリカにおける男女平等を目指すABAADの大規模な抗議活動によって、議会は同法を廃止した。
「レイプ犯は被害者と結婚すれば無罪」レバノンの法律撤廃を訴える抗議のパフォーマンス
PR:私たちは、性犯罪被害者です―実名で告白する、「レイプ・性虐待の恐怖」と「克服する勇気」