紀州のドン・ファンと呼ばれた野崎幸助氏(享年77)が覚せい剤中毒死を遂げてから約五か月が経過した。一時期、あんなにテレビでも騒がれた事件なのに最近は触れるテレビもほとんどなくなってしまった。

そんな中で『紀州のドン・ファン殺害「新犯人」の正体』という思わせぶりな本が発売されたのは10月20日。ぼくはそれをさっそく買って、2日程度で読み終えたのだが、結論としてはやはり犯人はわからないということだろう。
これだけ近くに容疑者と思われる人々が集まっていて、5か月経過しても犯人があがらないとなると、
「この事件は野崎氏自らが起こした事故だったのでは?迷宮入り?」
などと思いたくもなってくる。
今週号の週刊文春では、「いごん」と記された一枚の遺言書に関して、再度取り上げていた。それには「全財産を生まれ育った田辺市に寄付する」旨が記されていたという。
今回のように、全財産を法廷相続人以外に遺贈する場合でも、配偶者や子どもなどの相続人が遺留分減殺要求を行えば、最低限の遺産の取り分は保証されるという。だから、野崎幸助氏の奥さんは子どもがいないので、彼女が遺産の二分の一である約15億円を相続することになる。一方、野崎氏の兄妹に遺留分減殺請求権はなく、取り分はゼロになる。
しかしそもそもこの「いごん」に疑問があると、吉田隆著作の「紀州のドン・ファン殺害「新犯人」の正体」では述べている。以下、その疑問を書きだします。
・この遺言が、全文真っ赤な字で書かれている。
・遺言書が死後二ヵ月以上、経過してから出ている。
・社長が書く文章は一つ一つの字がバラバラで、さらに下に行くにつれ字が左に流れていくのが特徴だ。だが、この「いごん」は整然と真っすぐに並んでいる。
・「いごん」というのは、法律用語であり、一般人には馴染みがない。
一方、注目を浴びる野崎幸助氏の妻の近況について、会社関係者はここう証言する。
「最後に田辺にやってきたのは、月命日の九月二十四日ごろ、彼女はいつも三日くらいで帰るんだけど、自宅にいる間はずっとスマホゲームをやっています」
さらに、彼女は事件当時に借りていた新宿の高層マンションを引き払い、一目を忍んで暮らしているという。知人が明かす。
「最近、彼女は韓国語を勉強しています。『結婚するんだったら外国人かな。日本では顔がバレちゃってダメ』と。事件後、パスポートを押収されたとl聞いていますが、『ようやく返ってきた』と言って喜んでいた。『海外もええけど、田辺の家はどうするの』と聞くと、『うーん』と言葉少なでした。」
ドンファン妻の発言や言動はけっこう軽く、せっかくダンナさんの遺産にてお金持ちになった奥さんが、『韓国人にみついで無一文になりました。』なんて結末のニュースにならないようにしてもらいたいものだ。それでは、さすがに紀州のドン・ファンも可哀そう。
参照:週刊文春2018年11月8日号
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