45.デヴィッド・フィンチャー 「ファイト・クラブ」 (1999年)

不眠症のサラリーマンである「僕」は、満たされない感情を抱き、病院に行く。「不眠症では死なない」と医者に言われて、街をさまよう。
 

「僕」は、病気のふりをしていろんなセラピーに顔を出し、そこのメンバーと同じ運命を背負っているかのようにニセ患者を演じて”涙を流す”という楽しみを見つける。しかしその屈折した楽しみを、同じように享受しているマーラという女性がいる。彼女に「来るな、中毒になるぞ。どこかよそに行ってくれ。君がいると泣けない!」と、怒りをぶつける。
やがて我に返り、患者会に行くのをやめにする。


出張中に「僕」は、自分とはタイプの違うタイラーという?男と知り合い、素手で殴り合う快感にめざめる。そこで殴り合いの集会「ファイトクラブ」をタイラーと設立し、参加することより素手の格闘にのめりこんでいく。


やがて生活が変化してゆきそれと共に容姿も変わっていく。オフイスは禁煙なのにそれを
無視して、たばこをふかし、シャツには血のシミがついている。
それを見た上司は戸惑い「今日は帰れ」と言う。「僕」は、会社の迷惑者になっていることに開放感を感じる。「僕」の生活の楽しみ方、快感の求め方の変化に興味を惹かれる。


自分の身体が真に欲するものを、追い求めて社会から脱線していき、しまいには取り返し
がつかない社会に対する大きな破壊(爆発)につながっていくという物語。その急激な自分と周りの変化の速さとストーリーのテンポの良さがいい。

 

46.デヴィッド・クローネンバーグ 「ザ・フライ」 (1986)

パーティ会場で科学者・セスは魅力的な科学雑誌の女性記者に会う。その時に「ぼくの話、聞かないと損だよ」と言う。このど真ん中に直球を投げるような自己アピールが、一癖も二癖もありそうな科学者のキャラに合っていた。その科学者・セスを演じたジェフ・ゴールドブラムがまた良かった。彼の主演によりこの映画はより充実した傑作作品となった。


物質転送実験の失敗により、科学者がハエ男に徐々に変身していく様が気色悪い。
背中に太い毛が生えてきたり、歯や爪が溶け落ちたり。初期の段階では、性欲が異常に高まり、いくら抱いても飽きることなくSEXを続けていて、相手の女性に「いつまで続けるの?もう何時間もしたわ」と、裸のまま言われるシーンも忘れ難い。
ところで、ハエの性欲って強いのかな?
 

47. キム・ソンフン 「トンネル 闇に鎖された男」(2016)

自動車ディラーとして働く男は帰社途中にガソリンスタンドに寄る。そこにはトロっちい爺ちゃんがガソリンの量を間違えつつも入れてくれる。あまりのトロっちさにいらただしげに車を発射。

爺ちゃんからはペットボトルの水を2本おわびの品としてもらうが、『なんだこんな物!』という感じで後ろの座席に放り投げる。

 

その後、トンネルに入ったときにいきなりトンネルが崩れ落ち、閉じ込められたまま外に出られなくなる。そんな状況下において、爺ちゃんからもらったペットボトルが自分の命を救う事となる。


というように何気ない車のラジオとか携帯とか、別の車で飼っていたペットなどが自分の命と関わってくるとても重要なアイテムになる。社会の問題、人間の良心の問題も絡めてとてもためになるし、次の展開に気を持たせて実に面白かった。『観て良かった、観るべき映画だった』と確実に思える作品。

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