元AV監督で音楽プロデューサーの松嶋クロス(本名松嶋重=しげる)が1月19日、恐喝未遂の疑いで、逮捕された。彼は元関東連合の幹部であり、関東連合の名前を過去に背負う人物が逮捕されてニュースになるのはひさびさの事。


業界のルールを破ったと因縁をつけ、AV男優から現金を脅し取ろうとしたとして、警視庁は1月20日までに、恐喝未遂の疑いで、松嶋クロス容疑者(39=東京都中野区)、ストリップ劇場「横浜ロック座」経営者松本和彦容疑者(49=神奈川県大和市)を逮捕した。他に逮捕されたのは、東京都足立区の無職佐久間孝文容疑者(34)で、計男3名。松本容疑者は「脅したつもりはない」と容疑を否認。松嶋容疑者らは黙秘しているという。

 

3人の逮捕容疑は共謀し、16年2月20~27日ごろ、前後5回にわたって、東京都台東区の会社応接室などで男優(38)に対し、現金200万円を脅し取ろうとした疑い。男優の後輩がAV女優と付き合い、業界のルールを破ったなどと因縁をつけ「謝りに来て金でも持ってくれば格好も付く。業界で仕事をできなくする」などと脅し、男優から現金を脅し取ろうとした疑い。男優が警察に相談し、未遂に終わった。

 

● 松嶋クロスと小向美奈子
松嶋クロスは音楽プロデュースなど、芸能関係の仕事を中心に活躍。08年に「六本木・GI
ROPPON」が大ヒットした歌手鼠先輩の多くの楽曲の作詞作曲や、セクシー女優小向美奈子が09年に出版した告白本に付けられた歌のCD「I am Scandal」の作詞などを手がけた。


松嶋クロスは、少年時代から暴走族に加入し、関東連合・永福町ブラックエンペラーのナンバー2となった。当時のエピソードについて雑誌マッドマックスなどでインタビューに応えている。同誌には、当時撮影した、敵対組織の人間にシックスナインや自慰行為を強要した写真を載せるなどもしている。

 

工藤明男著作「いびつな絆 関東連合の真実」に、松嶋クロスの話しが出てくる。小向美奈子
をAV出演するように口説いたのが松嶋クロスだと言われているとの事。当初、小向は、「どれだけ堕ちたとしても、アダルトビデオには出演したくない」と、頑なに拒んでいた。それでも、松嶋は辛抱強く説得を続け、ついに出演の了解を得ることに成功する。


小向美奈子は覚せい剤の容疑で2011年2月に逮捕されることになり、その直後にフィリピン
の出国したので、松嶋は優秀な弁護士をつけて不起訴まで持っていく代わりにフィリピンに撮影クルーを呼び寄せ、現地の撮影に成功している。

 

● 松本和彦とストリップ劇場
ストリップ劇場「横浜ロック座」の経営者松本和彦も実は元AV監督。「横浜ロック座」の社長に就任した時に松本はこのようにインタビューに答えている。

 

「以前はAVの監督をしていました。その前は、ホスト、踊り子さんのマネージャー、AV男優です。振り返ると、ずっと『女性をもてなす』仕事に従事していましたね」とこれまでの経歴を話した。

 

なぜ、またストリップ劇場の仕事に戻ってきたのか伺うと・・・・・

「監督をしている時にずっと疑問に思っていたことがありました。それは女優さんたちに『頑張れ』ということです。セックスは頑張る行為ではないですよね。だから監督業をやっていた時に女優さんに『頑張れ』と声をかけたことはありませんでした。でも、監督としてどうしても頑張らせなきゃいけない時もあり、自分の気持ちと板挟みにあったこともありました」

 

「ストリップ劇場は女の子たちの努力が報われる場所で、なおかつ女性のナチュラルなエロス
と美しさを感じていただける場所。自然な気持ちで『頑張れ』と応援できるんです」と、女性が気持ちよく活躍できる場を作っていきたいという思いから劇場支配人となったことを話していた。

 

このような松本和彦のインタビューを読むと、AV男優から現金を脅し取ろうとする姑息な人物像とはあまり結びつかないところなのだが、実像はわからない。今後、明らかになっていくであろう事件の詳細が気になるところだ。

 

参照:AV関係者脅した疑い プロデューサーの松嶋クロス容疑者を逮捕 警視庁
    ストリップ劇場「浜劇」、「横浜ロック座」になってどう変わった?

PR:いびつな絆 関東連合の真実 (宝島SUGOI文庫)