神奈川県座間市のアパートで、9人が遺体で見つかった事件。
まずは、捜査員の問い詰めに容疑者があまりに自然体で答えた様子がぼく
の頭を混乱させる。
週刊文春11月16日号の記事から一部、抜粋。
10月30日午後4時半過ぎ。築30年のアパートの2階のワンルームで白石容疑者
と対峙した捜査員は、こう切り出したという。
「田村愛子さんを知っているか?」
白石隆浩容疑者は捜査員を一瞥すると、玄関のクーラーボックスを
指差し、自信に満ちた声色でこう答えた。
「彼女ならここにいますよ」
わずか13㎡の部屋で操作委員が目の当たりにしたのは、クーラーボックス
に収納された九つの頭部だった。
● 人生をログアウト
週刊誌には、白石容疑者と知り合った女性の話しも掲載されているが、その
なかで、彼を『犬』とたとえた表現が気になった。もう少し、詳しく知りたいと
思った。そこまで上手に出る女の人は彼にとってどんな存在だったのであろ
うか。
「私にとって、隆浩は従順な”犬”でした。でも、当時から自殺にも詳しくて『本当
に自殺したいなら床から十センチのところに輪っかを吊って、うつ伏せでやるの
が楽だよ』って話していました。
仕事を紹介した女の子が飛ぶ(音信不通になる)ことが続くと、鬱っぽくなり
「仕事場に居場所がない』と言うんです。今年一月初旬には『消えたい。人生
ログアウトしたい』と漏らしていました」
直近のニュースでは、事件に使ったロープの件が取り上げられている。
ロープの存在が生々しく感じられてくる。
逮捕された神奈川県座間市の白石隆浩容疑者(27)は、警視庁の調べで、
「女性たちを自宅のアパートの部屋に誘い込み、ロープで殺害した」など
と供述している。
その後の調べに対し、白石容疑者は「事件に使ったロープは、そのつど
ホームセンターで3メートル分購入した。全部で10本買った」と供述してい
ることが、警視庁への取材でわかったとのこと。
● 被害者の顔写真報道に意見
また、今回の被害者の写真に関しても話題になっている。
凶悪犯罪が起きたとき、被害者の実名や顔写真を報道することは、しば
しば議論になる。11月14日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)では、
「座間市9人殺害事件の被害者、顔写真報道をめぐり新聞社も葛藤」という
話題があり、経済評論家の勝間和代さんが
「遺族の了承がない限り、一切載せるべきではない」と主張。コメンテーター
の間で議論となったという。
発端は西日本新聞の「顔写真報道の議論続ける」という記事。神奈川県座間
市のアパートで9人の遺体が見つかった事件の報道で、被害者の顔写真をめ
ぐり社内で賛否の議論が起きたという。
「1枚の顔写真は、生身の人間がこの凄惨な事件の被害に遭った、という現実
を何より訴えかけてきます。どうすればこの種の犯罪を防ぐことができるか
と、社会を動かす力にもなります」
と、記事は訴える。
だが、東京新聞によると、多くの被害者遺族から顔写真や実名の報道を控える
よう要請があったという。
しかし、実名は9人全員が判明したとのニュースが記事になり、名前も発表され
てしまっている。
個人的には、写真もなく名前も隠された被害者は現実感に乏しく、事件も印象が
薄くなるので掲載してほしいところだが、被害者遺族からの要請を無視して、強引
に掲載するのは、新聞といえどもまずいと思う。
一方、たとえ新聞で名前を発表しないように抑えたとしても、今は逆にネットの方で
公表するようなことになるのではないか?
参照:白石隆浩容疑者は罪悪感なしの「快楽殺人者」 精神科医が語る戦慄の動機とは?
