「昭和やバブルの特集の本」、というのはもう既に何度も作られている
のだけれど、毎回立ち読みしたり、買ったりして目を通してしまう。過去
を懐かしがってばかりいるのも、しょうがないと思いつつ・・・・・
今回は、週刊新潮の「昭和とバブルの影法師」という週刊誌の体裁での
特集を買った。値段も440円と安くて手ごろだ。
まずは、お立ち台ディスコのジュリアナでの写真と共に、添えられ文章
がまた心をくすぐる。
いつまでも続くはずがないのに
いつまでも続くと思っていた日々
我々は熱病に浮かされたかのように、狂乱の中にいた
あの時、いつか踊りが終わるなどと誰が予想できただろうか
バブル象徴のオープンは、のちに「グッドウィル・グループ」を率いる
折口雅博が立ち挙げた。大手倉庫会社のオーナーから有効利用の
相談をされた東京・芝浦の倉庫を巨大ディスコとするプロジェクトを
計画した。
”ゴージャスな社公場”を意識して仕掛けた「ジュリアナ東京」は大ブー
ムとなった。
でも、お立ち台での踊る女性達の露出が過激になりすぎて、お上から目
をつけられ、わすか3年で終わってしまった。その一瞬の夢のような盛り
上がりがいかにもバブルらしかった。
本の中では、「さんまさんが寝かせてくれないの」というタイトルがつ
いた31年前の人気テレビドラマ「男女7人夏物語」について語った池上
季実子と賀来千香子(かく ちかこ)の対談が面白かった。
さんまが寝かせてくれないと、池上季実子が語ったとすれば、何か色っ
ぽいことを想像しかねないけれど、まあそんなわけはなくて、真相はこ
んなこと。
池上:寝る暇なかったのに、みんな元気だったよね。ロケにも大きい観光
バスみたいので移動するんだけど、ちょっと目をつぶろうものなら、さん
まさんが、「池上さん、眠いんですか?」って。まあ、ようしゃべる、
しゃべる。しゃべらないと生きていられない人ですから、とにかくさんま
さんが寝かせてくれないの!
賀来:そうでしたよねぇ。
池上:さんまさんは、しのぶちゃんにも絡んで絡んで。しのぶちゃんは
「やだ!」とか言いながらも、ついついさんまさんの空気に巻き込まれて、
犬っころみたいにじゃれあってた。それをみんなで大笑いして見ていた
感じだったわねー。
賀来:そうでしたね。そのお二人に季実子さんも絡んでいきますもんね。
池上:だっいて元々、私とさんまさんが恋人同士だったのに、(大竹演じ
る)桃子が略奪したんだから(笑)。
このドラマは最高視聴率は31%を越え、続編『男女7人秋物語』も制作さ
れた。トレンディドラマの元祖であるとも言われた。また、最後の2行で
内容がひっくりかえる乾くるみの傑作推理小説「イニシエーション・ラブ」で、
このドラマが全編を通じ伏線およびミスリードとして出てくる。
PR:昭和とバブルの影法師 2017年 8/30 号 [雑誌]: 週刊新潮 別冊

